弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 久保田 庸央
2015.12.16

高いと思ったら頼まないほうがいい

ワインという飲み物は、高いものから安いものまで非常に幅広くあります。

私のようなアルコールが入ればいいというような輩は、高いワインを飲んでも、おいしいとは思いますが、1杯だけで何千円もの値段に見合った価値は感じることができません。飲む前に値段を教えてもらって、高いものを飲んでいるという満足感に浸るのがせいぜいです。

そういう意味では、私に高いワインを飲ませるのはまり意味があることとは思えませんし、私自身もたくさんお金をはたいて高いワインを飲もうとは思いません。

一応断っておきますと、高いワインをご馳走していただいた方に感謝の気持ちがないという意味ではございません。

前置きはこの程度にして、弁護士を依頼する場合、自分では手続ができない、自分でやるのは面倒くさい、弁護士を頼んだ方がいい結果が出るような気がする等、依頼する動機は様々なものがあると思います。

わが国では、裁判を起こすのに、弁護士を立てることを強制されていないので、少なくとも絶対に弁護士を立てなければならないということはありません。なので、本来は、自分が頼もうとすることに対して、値段が見合うのであれば弁護士を依頼すればいいし、値段が高いと思うのであれば、依頼する必要はありません。

人の価値観は様々なので、どういうことにお金を出すべきかという感覚も人それぞれですし、実際、お金の価値の感じ方すら違います。弁護士の費用に価値を見い出せない場合もあるのではないかと思います。

弁護士の費用に価値を見い出せない場合、おそらくその方は、その方自身も、そして、依頼を受けた弁護士も想定しないような依頼者に有利過ぎる結果が出るという異常事態が発生しなければ、結果に満足することはないはずです。

そうだとすると、依頼者は、満足することはないことにお金を払い、他方、弁護士は、絶対に満足しない依頼者のために仕事をすることになり、お互いに不幸としか言いようがありません。

ワインの価値を国民全員が分かる必要はないし、それこそ、健康を害して、たくさん税金を払ってまで敢えて吸うたばこの価値も全国民が分かる必要はないのと同様、弁護士費用の価値も、人それぞれの感覚でいいのではないかと思います。

私自身は、弁護士費用に難色を示された際には、必ず、持ち帰って検討してもらうようにしています。一度難色を示された場合には、やはりその場で頼みたいと言われても、持ち帰って検討してもらうようにしています。弁護士への依頼を急いだ結果、後悔することになっては、やはりお互い不幸だと思うからです。

たまに、法律相談を経ないで、弁護士費用だけ聞かれることがあります。弁護士費用を比較して依頼先を決めたいということなのでしょうが、事件の内容を把握しないで弁護士費用だけ設定するのは正直なところ難しいです。この場合は、法律相談を受けない状態で弁護士費用のみ回答することはできないとしてお断りするか、考えられる最大の金額をお話することになります。

実際問題として、弁護士費用は、依頼人の受けた利益を元に何%という定め方が多いですが、同じ事件を依頼して、費用が相手方からとった金額の10%と20%の弁護士がいたとして(分かりやすくするため、かなり単純化した数値を用いています。)、10%の弁護士は相手から100万円とれた、20%の弁護士は200万円とれたとすると、前者の費用は10万円、後者の費用は40万円となります。

事件を依頼する時に分かっていることは、10%なのか20%なのかということで、依頼時には10%の弁護士の方が安いということになるのでしょう。そして、最終的に支払う弁護士費用も前者は10万円、後者は40万円で、前者の方が安いということになります。

しかしながら、弁護士費用を差し引いた依頼人が手にする金額は、前者は90万円、後者は160万円となり、弁護士費用が安く見えるということに意味があるのか疑問があります。ただし、同じ事件は誰か1人の弁護士に1度しか依頼できないので、後で結果を比較することはできず、結果的に損しているのか得しているのかはよく分からないことになります。

長々と何を言っているのかということですが、弁護士費用の単純比較というのは、あまり意味があるとは思えないということであり、弁護士費用が安く見えれば、誰でもいいとして選ぶのはいいこととは思わないということです。

弁護士に依頼する際には、弁護士に依頼すべき案件かどうか、依頼しようとしている弁護士は信頼できる弁護士なのかという観点で依頼すべきかどうかを決めるべきだと思っています。値段だけで選ばれるのは私の考えとは合いませんので、弁護士費用だけ聞かれた時には、上記の通り、こたえないか、考えられる最大の金額をお話することになります。

法律相談をしていて、この案件は弁護士を立てるべきであると考えることもありますし、自分でやっても、弁護士を立ててもどちらでもよいと考えるときもありますし、弁護士を立てることは費用等の面で得策ではなく、ご自身で処理するなどして弁護士は立てるべきでないと考えるときもあります。弁護士としての考えを率直にお話させていただき、あとは相談された方のご判断ということになります。

その際、弁護士費用が高いとお思いになったのであれば、頼まないことがお互いのためにいいと思います。ご自身で手続をとるなどして、余計な弁護士費用を支出しないようにした方がいいはずです。

信頼に値する弁護士ではないと思ったことで、値段が高いと思ってしまったということもあるかもしれません。その場合の弁護士は大いに反省しなければなりませんが、その場合も、その弁護士には頼まないことが得策です。