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弁護士 久保田 庸央
2012.06.28

裁判上の和解という解決

訴訟が起こったとしても、必ず判決までいくのではなく、多くの事件で和解が成立しています。

「和解」という言葉の響きから、仲直りのようなイメージをされる方もいらっしゃいますが、仲直りをするという意味は含んでおらず、双方の条件を整えて裁判を終了させるという程度の意味です。離婚の裁判で、親権者や養育費、慰謝料等の条件を整えて離婚する場合にも、「和解」によって裁判が終了することになり、仲直りの意味を含まないことは、このことからも分かると思います。

訴訟が判決に至るのは、通常は、双方の言い分が食い違い、妥協点が見出せない場合ということになります。
そのため、判決が下された場合、双方が納得するということはあまり考えられず、少なくとも一方は、場合によっては双方が不満ということが多くあります。

一審で判決が下されても、判決に不服があれば、控訴と言って、上級の裁判所に不服の申立てができます。
したがって、(下級審で)判決で勝ったとしても、上級の裁判所で再び争われることも多く、最終的な解決にならないことも多くあります。

その点において、和解であれば、双方が心の底からではないでしょうが、一旦は納得しており、後日、不服があるとして、控訴することはできません(後述※1)。和解成立時点で、紛争が解決したということができます。

また、判決で勝ったとしても、相手が裁判所の判決の内容に従わない場合も多く、強制執行の問題がつきまといます。和解の場合は、絶対にということはありませんが、一旦は双方が納得した上で約束するわけですから、強制執行が必要となることはあまりありません(後述※2)。
ですから、紛争の早期の、最終的な解決という意味では、和解の方が優れているということができます。

ただし、和解が紛争解決に優れているから、何でもかんでも和解すればよいということにはなりません。
当事者にとって、敗訴のリスクや、回収リスク、紛争の長期化の防止、今後の紛争解決にかかるコストの見込み等の観点から和解が得であるという場合に和解するということになります。

例えば、釧路の場合、一審の地方裁判所で判決に対して、控訴されると札幌の高等裁判所での裁判になり、当事者の負担は、物理的にも経済的にも大きくなります。「今後の紛争解決にかかるコストの見込み」という観点からは、釧路での裁判は、和解方向に傾くということも言えるかもしれません。

ただ和解だから何割カットとか、和解だから譲歩というような和解しなければならない理由を見出せない和解の提案も多くあり、ケース・バイ・ケースということにはなりますが、メリット・デメリットを冷静に分析して、和解に適する事案は、積極的に和解による解決を図るべきであろうと思っています。

※1 控訴できないというのは間違いありませんが、和解の効果自体を争う道はないではありません。裁判所が双方に丁寧に意思確認していますから、現実には、ほとんど起こり得ないことですが、私が担当した事件で、かつて、和解の効果を争われ、訴訟終了宣言判決という非常に珍しい判決をもらったことがあります。

※2 私が担当した事件で、裁判上の和解をしたにもかかわらず、強制執行をしたことは1度だけあります。判決を受けた事件で強制執行をしたことは数えられないくらいあるので、和解した事件で強制執行の問題に発展することはほとんどないといえます。