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弁護士 荒井 剛
2021.12.22

ゲーム時間の取り決め(ルール)について パート2

http://www.ak-lawfirm.com/column/1255
今年の2月、ゲーム時間の取り決め(ルール)についてというコラムを書きました。

暇さえあればゲームをする子どもたちにどのようなルールをもうければいいか悩んでいるという内容です。一応、その時点では「積み上げ方式」が有効であるという結論に至っておりました。要するに、宿題をしたら30分、トレーニングをしたら30分というように毎日複数の課題を設定し、課題をクリアするとゲーム時間が積み上げられる方式です。

理想は、子どもたちが主体的に、かつ、合理的な行動をとるということです。
しかし、自分で考えて行動するようにというと、自主性=好き勝手、無秩序となり、際限なくゲームをすることになったため、一定の制限はやむを得ないと考えた結果が「積み上げ方式」だったわけです。

この「積み上げ方式」ですが、その後、半年ほど有効に機能していました。
しかし、全道大会を含め、少年野球の大会が終わり、卒団が近づいてきた9月下旬から、家での滞在時間が増え、息子の野球に対するモチベーションが徐々に下がり、その分、ゲームへの執着心が強くなってきました。

ゲームへのこだわりを強くさせた要因はもう一つあります。周囲の友達の多くが自分専用の携帯電話を保有し、LINEでやりとりしているため、自分もその仲間に入りたいと要望してきました。たしかに、そろそろ、子どもに携帯電話を持たせてもいい時期だと考えていたため、息子の誕生日に、携帯電話を購入することにしました。

子どもの学習能力はすごいです。あっという間に携帯電話の操作を覚え、ユーチューブやTikTokのアプリも使いこなしていました。

今度は、自分のゲーム実況動画を録画し、それをユーチューブに投稿したいと言いだしました。そこで、私も勉強がてら、息子に協力することにし、10分程度無料で録画することのできる動画編集アプリをダウンロードしました。しかし、息子からは、ユーチューブに投稿するためにはもう少し画質がいい状態で、かつ、10分以上録画できる有料のアプリが良いと言われました。まあ、編集をする過程でパソコンの操作も覚えるし、動画編集のノウハウを覚えておくことは今後も有益だろうと思い、有料アプリ(数千円だったと思います)をダウンロードしました。

翌日、息子が、これまでに録画した自分のゲーム実況動画を切り貼りし、動画を完成させているのをみて驚きました。すごいなと感心していたら、今度は、動画に音楽を入れてみたいとのこと。

ハードルを越えたと思ったら、また、ハードルが現れた、そんな状態です。
息子曰く、TikTokで流行っている曲を使いたいと。

私も弁護士である以上、著作権のことが頭によぎります。

もし、勝手に曲を使用し、息子が著作権を侵害したただのと言われてもかわいそうです。
そこで、著作権のことを簡単に説明しました。何も考えずに、お気に入りだからといって勝手に曲を動画につけてしまうと、著作権を侵害し、賠償問題、つまり、お金を支払わないといけなくなるかもしれないし、犯罪になる場合もあるよ、と大げさかもしれませんが、説明しました。そのうえで、ネットでは、著作権違反が問題とならない著作権フリーの音源があるはずだよと言って、一緒にネットを探したところ、あるわ、あるわ、たくさんの著作権フリーの音源サイトが見つかりました。その中でも有名なのがイギリスのレコードレーベル、NSCです。「NSC」は、No Copyright Soundsの頭文字を取ったものです。正確にいえば、好き勝手に音源を使用していいというのではなく、条件付きで使用していいということになっています。具体的には、ユーチューブ等に動画をアップする際に使用した曲名、アーティスト名や音源元を明示することが条件になっています。

以前の私のコラム(http://www.ak-lawfirm.com/column/1131)でも紹介したアラン・ウオーカーの“Faded”という曲もNSCから配信されています。

さて、息子は、その後、悪戦苦闘しながら、編集したゲーム実況動画に、著作権フリーの曲をつけユーチューブにアップすることに成功しました。それから10日ほどくらいでしょうか、毎日、立て続けに動画をアップしていました。しかし、その後、パタッとやめてしまいました。覚えるのも早い代わりに、飽きるのも早いというわけでしょうかね。

そんな息子ですが、10月になると、ゲームそのものに熱中するあまり、宿題をやらない日も出てくるようになりました。注意してもなおらず、友達とLINE通話しながら、オンラインゲーム。勝手に自分だけ抜けられない、いま、バトルが始まったばかりだ等と自分本位な言い訳に終始する始末。

とうとう「積み上げ方式」によって得たゲーム時間も完全に無視するようになってきました。
それを指摘すると無言。そして、ふてくされる。
何が不満なのかと聞くと、友たちは、好きなだけゲームをやれている、なぜ自分だけゲームが制限されているのか、その制限をなくしてほしいと訴えてきました。その友達もきっと無制限にやれているわけではなく何らかの家庭内ルールがあるはずですが、隣の芝は青く見えるもの。いい部分しか目に入らないのでしょう。

やることをやらないで何を言っているのかと思いましたが、息子も来年から中学生。
自主的に目標やルールを設定し、自分の言動をコントロールすることを覚えるいい機会だと思い、完全自主性に委ねてみることにしました。

それから一月・・・・・

運動しない。ご飯もそこそこ。お風呂になかなか入らず。
なかなか寝ない。朝、早く起きてゲーム。
洗濯物を畳んでほしい等の家のお手伝いもやらない。

「積み上げ方式」のときは、なんだかんだいってもトレーニングや宿題等をやっていたのでまだよかったです。

しかし、自主性に委ねた結果、ただだらだらと友達とゲームをやるだけの生活。

さすがに私も妻も堪忍袋の緒が切れました。

ゲームを一旦禁止にし、なぜゲームをやりつづけてしまうのか、
どうすればいいのか等、もう少し深く話し合うことにしました。

ゲーム時間を1日何時間にする、ということ自体に意味があるわけではなく、
なぜそのようなルールを設定する必要があるのか。1日のスケジュールを把握し、自分の行動や意思をコントロールできるのであれば、別にゲーム時間の制限はいらないはず。

でも自分で自分を抑制し、コントロールすることは大人でも難しいです。
ましてや小6となればもっと難しいでしょう。

ではどうすればいいのか。すごく悩んでいるところです。
「積み上げ方式」に戻すか、単純に1日の時間を決めてしまうか。
これらのルールは簡単ではありますが、根本的な解決になりません。

そこで、まずは、1日の目標、1週間の目標、1月の目標を自分で考えて書き出して、提案するようにと指示しました。

また、ゲームに限らず、これから生きていく上で、参考になると思われる考え方を一つ伝えました。「緊急度と重要度のマトリクス」と呼ばれるものです。

とある行動が問題となるとき、その緊急度・重要度を意識して行動すると良いという話。
緊急度も重要度も高いのはAランク。
緊急ではないが重要なのはBランク。
重要ではないが緊急なものはCランク。
緊急でも重要でもないのはDランク。

AからDと優先順位をつけること、
いかにDランクに分類される行動を回避できるかが大事。
ゲームをすることがすべてDランクに分類されるとはいわないが、A、B、Cと比較すると、優先順位は劣るよね、という説明をしたところ、少しは理解した感じでした。

自主的に考えるきっかけとなればいいのですが、、、
さあ、どんな目標やルールを提案してくるか・・・