弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 久保田 庸央
2019.06.20

業界の常識

とある中古車販売の事件にて。
買主側の弁護士から、次のような通知を受けたとして、中古車販売業者の相談を受けた事件でした。
高級外車の中古車が販売されているが、一部の備品が納品未了である、また、販売代金が新車価格を超えており、おかしいので適正価格との差額を返せと。
一部の備品が納品未了であることは、納品するなり、その分の代金をお返しするなりすればよく、弁護士としての判断は容易です。
販売代金についても、中古車なのに新車価格を超えているなんて、相手の弁護士が指摘する通りで、「いくらか返せばいいのでは?」と思うところです。
ところが、中古車業者がいうには、高級車の場合、新車は受注生産になり、発注してから納車になるまでに相当の時間がかかり、特に、外車の場合は、輸入する関係でさらに時間がかかるとのことで、たまたま乗りたい車が中古車市場に出ている場合、すぐに乗ることができるが、価格は新車価格を超えることは普通にあるということでした。中古車業者は、その辺りの説明はお客さんにしているし、新車にするか、中古車にするかはお客さんに選んでもらっているとのことでした。説明したかどうかは、言った言わないの話になってしまいますし、そもそも、新車価格を超える中古車というものがあり得ないという話になってくれば、説明しようが駄目なものは駄目ですから、果たして中古車業者の説明が正しいのかが非常に重要になってくるわけです。
私は、事案を伏せて、いくつかの知り合いの中古車屋さんに聞いてみました。そうすると、皆さん口を揃えて、中古車が新車価格を超えることはよくあると言います。
実際、弁護士から通知を受けた中古車業者も、新車価格を超える値段で売らなければ商売にならないような価格で仕入れており、そこには業界の常識があり、当該中古車業者はこのような業界の常識に従って行動していただけということでした。
このような業界の常識、中古車業者の仕入価格等を指摘して、最終的には未納品の部分の代金の返還と、若干の見舞金程度の解決金にて、示談することとなりました。
こちらサイドにとっては良い解決だとは思いますが、相手方サイドの弁護士は当初の見立てと異なる方向となり、苦労したと思います。
普段から、いろんな業界の人の話を聞いて、業界の実情とか常識とかの情報は仕入れているつもりですが、今回のような引っ掛けみたいな常識が問題となるものを相手の立場で受けてしまったらと思うとぞっとします。