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弁護士 小田 康夫
2019.05.09

遺言書の制度が変わりました。

今年(2019年)1月13日から自筆で書く遺言(自筆証書遺言)の制度が変わりました。

2015年に「備えあれば憂いなし~遺言~」(http://www.ak-lawfirm.com/column/701)というコラムの中で、こんなことを書きました。

「例えば、自筆証書遺言の場合、以下の場合には、遺言の効力は認められません。
×パソコンで書いた(→全文自署が必要です。つまり、手書きでなければなりません。)
×押印なし(→押印が必要です。なお、実印である必要はありません。)
×内容が不明確(→不動産が複数ある場合には、その住所等を記載することが必要です。)
×日付なし(作成年月日の記載が必要です。)」

変更となったのは、「×パソコンで書いた」の部分。
これまでは、どんなに財産がたくさんあっても、財産目録には、いちいち手書き(自書)で記載しなければなりませんでした。
ここに例外を設けて、「自書によらない財産目録」を認めました(民法968条2項前段)。
そのため、例えば、財産目録に限り、

〇パソコンで作成してOK
〇パソコン以外でも、不動産登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)を添付してもOK
〇預金通帳の写しを添付することでも代用可能

です。
もっとも、1頁ごとに、署名押印が必要です。1枚の紙の両面に財産目録を記載した場合には両面に署名押印が必要です(民法968条2項後段)。遺言をする者のサインが、財産目録の各ページにないと、少なくとも、署名押印がない部分の財産目録については、遺言の効力が失われてしまいます。

さらに注意としては、「自書によらない財産目録」を添付することが可能となったからと言って、いつでも自由に財産目録を追加することが認められた、というわけではありません。加除訂正にも厳格な方式が採用されていますから、財産目録の追加の場合には、本文中に、加除訂正として、「遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ」(民法968条3項)なりません。加除訂正が多くなる場合は作成時期も不明確になり、遺言書全体が無効となるリスクも高まりますから、別途、自筆証書遺言の作り直しや公正証書遺言を作成することも検討する必要があるでしょう。
ほかにも注意すべき点としては、自筆証書遺言の「本文」(例えば、「以下の不動産○○をAに相続させる。令和〇年〇月〇日遺言者○○㊞」という部分)と「自書によらない財産目録」を混在させることは無効と考えられている点です。例えば、登記簿謄本の写しの余白部分に「本文」を書くことは許されないと理解されています。

このように自筆証書遺言が有効といえるためには細かなルールを守る必要があります。
「遺言書は、パソコンで作れるようになった」と早合点して、細かいルールを無視すると遺言書は使えなくなってしまいます。自筆証書遺言を作成する際は慎重になりすぎるくらいがちょうどいいといえるかもしれません。