弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 小田 康夫
2015.11.09

備えあれば憂いなし~遺言~

「生きているうちに財産関係を整理しておきたい」 「家業を継ぐ長男に財産を多く残したい」「子供はいないが、妻に財産を全て相続させたい」等、相談者の望みは様々です。

その望みを叶える方法の一つが、遺言です。

遺言には、緊急時に作成するものを除き、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の三つがあります。遺言書の書き方は、法律で厳格に定められているため、ちょっとしたミスで、せっかく苦労して作成した遺言が無効となってしまう場合があるので、注意が必要です。

例えば、自筆証書遺言の場合、以下の場合には、遺言の効力は認められません。

×パソコンで書いた(→全文自署が必要です。つまり、手書きでなければなりません。)

×押印なし(→押印が必要です。なお、実印である必要はありません。)

×内容が不明確(→不動産が複数ある場合には、その住所等を記載することが必要です。)

×日付なし(作成年月日の記載が必要です。)

なお、遺言書を作成する人(被相続人)の意向を無視して、相続人等が遺言書を廃棄する恐れがある場合には、自筆証書遺言の方式はおすすめできません。作成にあたり公証人の関与がある公正証書遺言や遺言書の保管を公証人に委託する秘密証書遺言の方式を取るべきでしょう。

遺言の内容についていえば、被相続人は、遺言書の内容を自由に定めることができます。ただ、注意が必要なのは、①債務(マイナス財産)の定め方と②遺留分です。

①遺言は、基本的にプラス財産の配分を決める方法であって、マイナス財産は法律で決まった割合(法定相続分)に従って、相続人が負担します。例えば、配偶者は既に亡くなっており、長男と次男のみが相続人である場合に、「不動産、預貯金債権その他一切の財産を遺言者の長男○○に相続させる。」「長男○○は遺言者の債務も全て引き受ける。」という内容の遺言書を作成することも可能ですが、債権者は、次男に対し、遺言者に対する債権総額のうち、その半分(∵法定相続分が、1/2であるため)を請求することが可能です。

また、②被相続人の配偶者や子供には、財産形成に寄与した潜在的な持ち分があるとされ、一定の範囲で、遺言の効力が制限されます。それが遺留分の制度です。

例えば、先ほどの例で、被相続人に債務がない場合、長男に全財産を相続させる旨の遺言がある場合であっても、次男は、長男に対し、相続財産の1/4を遺留分として(遺留分算定の基礎となる財産1/2×法定相続分の1/2)、請求することができます。

以上のように、遺言書の作成は、法律の中でも特に厳格なルールが適用される場面であり、その作成には慎重さが求められます。巷に出回っている遺言書作成ツール等を用いて遺言書を作成する場合には、細心の注意を払いましょう。

ただ、遺言書の作成に迷ったら、専門家に相談してみるのがおすすめです。

また、遺言は、遺言を作成しようとする人から、配偶者や子ども、その他お世話になった人に対する最期のメッセージであると思います。弁護士として相談を受ける際には、遺言書の内容が法律に違反しないかのチェックは当然として、相談者のメッセージをどのように残された方に伝えるのか、相談される方の気持ちに寄り添うことをも重視して対応させていただきたいと思っています。