弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 久保田 庸央
2019.04.16

分割払いの金額の設定

裁判で支払いが命じられる場合、通常は一括払いということになります。
しかしながら、支払う側の支払い能力が十分ではなく、一括払いできない場合というのはよくあります。
裁判に限らず、交渉の場においても、支払う側の支払い能力が十分ではなく、分割払いによる合意をすることはよくあります。
そのとき、支払ってもらう側は、月々の金額が大きい方が早めに完済されるわけですからよいでしょう。他方で、支払う側は月々の金額が小さい方が支払いが楽になるでしょう。
どの程度の分割金額を設定するかは、支払い側は支払い可能な金額で相手にお願いするということになろうかと思います。裁判で判決になった場合には一括払いの判決となることから、あくまでもお願いベースです。
他方、支払いを受ける側は、どの程度の分割金額であれば応じるかを検討することになります。その際は、支払う側の支払い能力や、勝訴判決を得て強制執行した場合の回収見込み等を総合的に判断することになります。
強制執行した場合の回収見込みが芳しくない場合は、分割払いの合意を受け入れて約束通りに支払ってもらうのが得策です。また、裁判手続きをとったり、さらに、強制執行手続きをとるよりも、常識的な支払い条件で合意できるのであれば、その合意通りに支払ってもらう方が、権利者側も負担が少ないので、約束通りに支払いを受けることは重要になってきます。

それを前提に、例えば、月額5万円の支払を受ける合意をしたとします。この時、支払う側が、ある月に4万円しか用意できなかった場合に、どうすると思いますか。

常識的に考えれば、その月は4万円を支払い、翌月に6万円支払うから勘弁して欲しいとの連絡でもしてくるということになるでしょう。

しかし、多くの場合、そのような常識的な動きはなされず、その月の支払いは全くなされずに連絡もなされないということになります。

支払いを受ける側は、なるべく支払い月額を高く設定したいとは思うでしょうが、相手の支払い能力に対して多少無理な金額を設定すると、かえって回収確率が下がるということになってしまうのです。

後に裁判手続きや強制執行手続きを控え、回収見込みが立つ場合は、それほど神経質になる必要はないですが、強制的な回収が見込めないときには、支払い側の上記のような性質も考慮した方がよいことになります。

請求側からしたら、支払うべきものはきちんと支払われるべきであるとお考えになるのは当然のことで、腹立たしく感じるでしょうが、「権利がある」=「回収できる」ではないので、できる範囲でいろいろと工夫することになります。