弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2018.09.27

もうやめればいいのに・・・

以前、「休煙のすすめ」というコラムを書いたことがあります。
http://www.ak-lawfirm.com/column/983

いきなり「禁煙」すると考えるとハードルが高いので、いつ戻っても大丈夫という逃げ道を残しつつやれるところまでやってみようという意味で「禁煙」ではなく「休煙」を始めた結果、すでに15年以上「休煙」を続けることができたため「禁煙」を考えている方にまずは「休煙」をお勧めしますという内容のコラムでした。

誰に嫌われようが、一箱1000円に値上げされようが、命が削られると言われようが、タバコを吸い続けたいと決めている人はあまり感じないのかもしれませんが、喫煙者にとって間違いなく居心地が悪い世の中になってきております。

今年の7月18日、改正健康増進法が成立し、さらに喫煙者にとって居心地が悪い世の中になることが決まりました。この法律は受動喫煙対策を強化するものです。大勢の人が利用する施設の屋内を原則禁煙にして、違反した人には罰則も適用されることになります。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年4月に全面的に施行される予定です。

学校・病院・行政機関等については、屋外の喫煙場所に限り喫煙が可能となり、屋内は全面的に禁煙になることが予定されております。ようやくかという気がします。現在、病院や行政機関等の建物の場合には各階ごとに喫煙所が設けられていたりしています。弁護士という職業上、通うことが多い裁判所にも喫煙場所が設けられております。私が通うことが多い釧路地方裁判所(5階建て)でも私の知る限り1階と3階に喫煙スペースが備え付けられております。3階は民事事件の期日が開かれることが多いのですが、3階の喫煙スペースの隣には普通の待合室があります。待合室と喫煙スペースがある部屋はつながっており、待合室と喫煙スペースを仕切っているドアが開くたびに喫煙スペースからのタバコの臭いが待合室に流れ込んできたりします。完全な防臭機能があるわけではないためドアを開けなくてもタバコの臭いが待合室に漂ってきます。そのため待合室自体にもタバコの臭いがしています。裁判の合間や裁判の最中に待合室で待たないといけない時間があるのですが、待合室で待っているときなど本当に気分が悪くなります。早く喫煙スペースを取っ払って欲しいなと思っていたところでしたので、この健康増進法の施行により1日でも早くそれが実現されて欲しいと思っております。

次に、飲食店については、屋内に喫煙専用室を設けていればその専用室に限り喫煙が可能とされます。さらに一定の床面積の既存店はさらに例外が認められます。飲食店業界、特に、既存の飲食店からの強い反発があったと言われておりますが、もともとは床面積30平方メートル以下の既存店に限り、「喫煙可能」という標識を掲示すれば、専用室がなくとも喫煙を認めるという内容の改正案だったのですが、いつのまにか床面積100平方メートル以下の既存店まで広がり例外が許される店の範囲が拡大してしまいました。床面積100平方メートルまで広げてしまうと飲食店全体の約55%が例外の対象になると推計されています。東京都では、従業員を雇う飲食店は面積に関係なく原則禁煙とするという条例を成立させたことを考えると、改正法の内容には、正直、がっかりしております。私が住んでいる北海道は全国的にみても成人喫煙率が高いため(男性4位、女性1位:国立がん研究センターのHP参照)、東京都のような条例の制定は期待できないかなと思っております。

ところで、飲食店からは、全面禁煙にしてしまえば店が潰れてしまうという声が上がるとよく聞きます。たしかに居酒屋やスナック、バー等、夜の時間帯に行くような飲食店であれば、夜間を含め全面的に禁煙にすると経営が成り立たないことは理解できますので、全面禁煙にする必要もないですし、喫煙したい人が行けばいいのではないかと思います。しかし、日中、また、夜であっても普通に食事をするような飲食店であれば、全面禁煙にしたとしても客がそれほど減るとは思えません。喫煙できるから店に行くという人はそれなりにいるかもしれませんが、逆に喫煙可だからその店に行かないという人もそれなりにいるはずです。今年の8月、NPO法人日本医療政策機構から「2018年日本の医療に関する世論調査」が発表されました(https://hgpi.org/research/publicsurvey-1.html)。この調査によれば約60%の人が「喫煙可」の飲食店への入店を避け、さらに「分煙」であっても約25%の人が飲食店への入店を避けるという結果が出ています。正直、私自身も喫煙可能な飲食店であれば入店を避けます。多くの飲食店では昼食の時間帯に限り、全面的に禁煙になっているところが多くなってきてはいますが、残念ながらそうなっていないところがまだまだあります。せめて昼食の時間帯だけでも全面禁煙にしてみてはどうかなと思うのは私だけではないはずです。

本当は、24時間、すべての場所で禁煙にしてもらいたいですし、タバコなんてもうやめればいいのに・・・と思いますが、こういうと喫煙者から目の敵にされてしまうかもしれませんので、せめて昼食時だけでも、全面的に禁煙にしてきれいな空気の中で美味しいごはんを食べませんか。釧路市で昼の時間帯だけでもすべての飲食店を禁煙化するという条例を制定してみませんか。