弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

ヘッダーイメージ
ご相談の予約・お問い合わせ

釧路本店

事務所MAP
概 要
〒085-0017
釧路市幸町6丁目1番地2号AKビル

TEL

0154-32-0515

受付時間

平日9:00~17:00

無料駐車場完備

中標津支店

事務所MAP
概 要
〒086-1125
標津郡中標津町西5条北4丁目5番

TEL

0153-72-8121

受付時間

平日9:00~17:00

無料駐車場完備

釧路弁護士会バナー 法テラスバナー 勤務弁護士募集
弁護士 久保田 庸央
2018.02.23

相手からの養育費を巻き上げる法テラスって・・・

 世帯の人数によって基準は異なりますが、一定の収入以下の人は、法テラスを利用できます。

 法テラスが利用できる場合、回数制限はありますが、法律相談料を法テラスが支出してくれるため、相談料の自己負担はなくなり、無料で法律相談を受けることができます。

 相手との交渉や裁判を弁護士に依頼する場合には、弁護士費用としては着手金や報酬がかかりますが、法テラスが利用できる場合、これらの費用の一部を立替払いしてくれます。
 着手金というのは、事件を依頼するときに手数料として一括で支払うのが通常です。ところが、着手金は少ないときでも10万円程度はかかることが多く、そのような金額を即時に一括で用意することができない場合は、弁護士を頼むことは難しいですが、法テラスが着手金を立替払いしてくれるので、弁護士に事件を依頼することができるのです。
 ただし、あくまでも立替払いなので、法律相談料と違って自己負担がないわけではなく、分割払いで法テラスに立て替えてもらった費用を分割で支払っていく必要があります。

 法テラスを利用して事件を依頼した場合、立替払いしたものを分割で支払っていけばよいのですが、一括での返済を求められる場合があります。
 それは、事件が解決して相手から支払がなされた場合です。
 例えば、離婚事件で、相手から慰謝料を200万円もらったという場合は、それまで分割払いで法テラスに支払っていたとしても、法テラスから相手から受け取った200万円の中から、一括で返済することを求められます。
 この例だと、相手からまとまったお金をもらって、返せるようになったのだから、特に、問題がないと思う方が多いと思います。実際、法テラスとの契約では相手から金銭をもらった場合には、それを返済に充てるということに元々なっており、契約上も問題はありません。

 離婚事件であれば、次のような案件も多くあるはずです。

 離婚して、子供の親権を取得し、その子の養育費のみ支払を受けるという合意をした。

 通常、養育費は月に4万円とか、月々払いで日々子供の生活費に充てられます。
 しかし、法テラスは日々の生活費に充てられるなどということはお構いなしで、相手から養育費をもらえば、それまで分割で支払っていた立替金をその養育費で一括で支払う旨の決定を出します。
 しかも、養育費を支払うという合意がきちんと果たされるのかの審査のため、2カ月間、養育費が合意通りに支払われたのかを確認してから、一括払いの決定を出します。
 要するに、わざわざ相手から受け取る養育費を2か月分貯めさせて、それを巻き上げるわけです。

 上記のように、養育費は、日々の生活費に充てるべき費用で、それを巻き上げるというのは、法テラスという公に準ずる機関としていかがなものかと思います。そもそも、養育費は、差押が禁止されており、第三者が法的手続をとっても強制的に奪うことはできない性質のものであるのに、法テラスはなぜ強制的に巻き上げることができ、また、巻き上げようとするのか理解に苦しみます。
 法テラスがなければ弁護士を依頼することは難しいという方も多くいて、法テラスに救済される人も多いとは思いますが、硬直的な運用の側面もあり、注意が必要です。

 上記のような養育費の巻き上げ問題は、婚姻中の生活費である婚姻費用の分担の場面でも起こります。婚姻費用の解決がやっと図られて、これから生活できると思った矢先に2か月分の婚姻費用を巻き上げるのです。

 このような運用に関しては、散々改善を求めてきましたし、少なくとも2カ月間貯めさせて巻き上げる騙し討ちのようなマネはやめられないのかも聞いてみましたが、どうやら法テラス側もどうしようもないようです。

 上記のような運用に関しては、その運用によって損害を被った等の訴訟が起こり、法テラスが敗訴したりすれば、改善されることはあるのかもしれませんが、観念される損害が小さいことが想定され、そのような訴訟を起こしたり、起こることを期待することは難しいものと思います。
 そうすると、法テラス側が改善されることを期待することは難しいと言わざるを得ません。
 この問題については、利用者の生活を直接侵害する運用で明らかにおかしいので、脱法的方法も含めて、この運用による被害を回避することを模索しています。