兵士絵
「兵士絵」という文字列をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。
読み方は、「へいしえ」です。
歴史的絵画や美術作品ということではなく、特に意味はありません。
私は、パソコン画面上で目にすることが多いですが、目にする頻度は平均よりも多いかもしれません。
例えば、「兵士絵30年」のように…。
これは、兵士の絵を描き続けて30年ということではなく、単なる「平成30年」の打ち間違いです。
「平成」は、「heisei」と打つわけですが、打ち間違えて「heisie」と打つと「兵士絵」と変換されるわけです。
最後の部分の「e」と「i」の順番が入れ替わると、無意味な「兵士絵」が完成することになります。
左手薬指が「s」、左手中指が「e」、と打った後に、右手中指が「i」を打つわけですが、この左手→左手→右手の順番を待ち切れずに右手中指が悪さをして、「s」と「e」の間に、「i」を打ち込むことによって、このような事象が発生しています。
「heisei」が右手(h)→左手(e)→右手(i)→左手(s)と右と左が交互に出番が来るのに、最後だけ、左手(e)→右手(i)と逆になっていることで、打ち間違いを誘発しているのかもしれません。
このような下らない分析はさておいて、私は、自分が担当した裁判の判決書で「兵士絵」という文字列を目にしたことがあります。
私は、すぐにピンと来ましたよ。普段から見慣れている文字列ですから、「平成」の打ち間違いであると。実際も、「兵士絵20年4月1日から」という使われ方でしたからね。
最近、判決書がコピペの疑いがあるなどとして騒がれていました。NHKの「受信料」が「受診料」と誤記されているのが共通しているなどと言われていましたが、個人的にはコピペそのものは内容が合っているのであれば別に問題ないとは思っています。「受診料」は見直しの段階で見落としてしまったのでしょうが、この程度であれば、見直し段階で見逃すこともあるかもしれません。もちろん、判決に誤字があることは好ましいことではありません。
ですが、「兵士絵」はやり過ぎでしょう。
一見して誤字があることに気付くはずです。何なら、文章を読まなくても、眺めるだけで変な文字があることに気付くはずです。
おそらく、判決書を書いた裁判官本人も含めて誰も全くチェックしなかったということなのでしょうが、一度くらいは見直して欲しいですね。