弁護士 荒井 剛
2021.07.29

ビオラは歌う

「ビオラは歌う」

これはマッキーこと槇原敬之さんの曲で、「不安の中に突っ込んで」というアルバムに収録されています。私は、現在、2か月に1度の割合で地元のFMくしろのラジオ番組に市民パーソナリティーとして出演しております(http://www.ak-lawfirm.com/column/1131 参照)。その際、必ずリクエスト曲を一つ紹介することになっていますが、このマッキーの曲を過去にリクエストしたことがありました。とても短い曲なのですが、たまに無性に聴きたくなるときがあります。ユーチューブ動画(無償)として上がっていれば紹介したかったのですが、残念ながら、プレミアム会員でないと視聴することができないようです。

「ビオラは歌う」は、2010年6月から7月にNHKの「みんなのうた」の曲として、オーケストラを擬人化したアニメーションとともに流れていました。文字通り「ビオラ」という弦楽器を主役にした曲です。NHKから「ビオラ」の曲を作ってくれという依頼を受けて作ったそうなのですが、NHKもまたすごい頼み方をするなあと思いますね。さすがNHKだなと。

でもすごいのはそれをきちんと仕上げたマッキー。
「ビオラ」はどんな楽器なの?と聞かれ、それがすぐにわかる人はそれほど多くないかもしれません。バイオリンと同じ弦楽器ですが、知名度はバイオリンと比べると雲泥の差があります。

弦楽器は、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスという順でサイズが大きくなります。サイズが大きいほど音が低くなります。ビオラは、バイオリンよりややサイズが大きいため、バイオリンと比べると低音ではありますが、チェロ、コントラバスほどではありません。ちょうど音域の中間なため、オーケストラの中でもあまり目立つ楽器ではありません。実は、ビオラという楽器のサイズは、バイオリンよりは大きく、チェロよりは小さいといった程度であり、バイオリンやチェロのようにおおよそのサイズといった規格がありません。したがって、ビオラ毎に長さや厚みも個々で違ったり、歪んだ形の胴体を持つものもあります。おおよそのサイズも決まっていないという意味で未完成な弦楽器といわれております。

ビオラは、どちらかというとオーケストラの一部として自然に溶け込み、
必要不可欠な存在ではあるけど、前面に出て自己主張することなく、
謙虚に音を出し続け、全体を支えているという感じかもしれません。

そのビオラの特性といいましょうか、オーケストラでの絶妙な立ち位置を
この曲は見事に反映させているような気がします。

まるでこの曲自体が一つのオーケストラのようです。

静かな出だしから始まり、
そして、山場を迎え、
最後はまた静かに終わっていくという感じがたまりません。

ちなみに私自身は、ビオラ(もちろんバイオリンもですが・・・)をまったく演奏しないのですが、前面に出ることなく周囲を見ながら全体を支えるというビオラの特性に共感しました。

日本屈指のビオラ演奏者である須田祥子さんは、
この曲をはじめて聞いたとき、こんなにビオラ弾きの気持ちをわかってくれる曲があるんだと語っております。
その須田祥子さんが「ビオラは歌う」をビオラで演奏しているユーチューブがあります。

https://www.youtube.com/watch?v=tL7PLzZSous&list=RDtL7PLzZSous&start_radio=1&rv=tL7PLzZSous&t=55

「ビオラは歌う」のほか「世界に一つだけの花」「もう恋なんてしない」を含め、数々の名曲を世に出した槇原敬之さん。昨年、二度目の覚せい剤使用の罪により、再び、有罪判決を受けました。ただ、1回目の有罪判決が20年以上前でしたので、昨年の有罪判決の際も実刑ではなく3年間の執行猶予付き判決となりました。名曲が生まれたのは、決して彼が覚せい剤を使用していたからではないでしょう。彼の才能だと思います。どうかまた音楽活動を再開してほしいものです。