弁護士 久保田 庸央
2020.10.21

レジ袋有料化の効果はあるのか

 「レジ袋有料になりますが、いかが致しましょうか?」
に対し、
 「はい。お願いします。」
と言うと、バーコードの処理をして代金に3円が加算され、レジ袋をもらう…。

 今年の7月1日からは、コンビニで買い物をすると、このようなやり取りがなされます。

 お恥ずかしながら、私は、コンビニに計画的に買い物に行くわけでも、いざコンビニ!と気合を入れて行くわけでもなく、行くとしてもふらっと立ち寄る程度。
 エコバッグなるものを持参するわけでもなく、レジ袋をもらってしまいます。
 
 もちろん、ペットボトル2本程度の買い物であれば、
「レジ袋有料になりますが、いかが致しましょうか?」
「いいえ。結構です。」
なんていうやり取りで、レジ袋はもらいません。

レジが混んでいて、何人か並んでいるとき、
当たり前ですが、一人ひとりの客に、レジ袋云々というやり取りをしています。
以前に比べれば、そのやり取りの分、接客の時間が増えているのであろうと思います。その分、待たされる時間も長くなっていることでしょう。

これ、当たり前の日常のような感じですが、少し考えてみると、かなり不経済なことをしているように思います。
レジ袋云々のやり取りに平均10秒程度かかるとして、店員さんの時給を1200円とします(少し高いですが計算の便宜のため)。
店員さんの給料は1分あたり20円、10秒だとその6分の1の3円ちょっと。
そして、レジ袋が1枚売れると3円の売上。
レジ袋云々のやり取りをして、レジ袋が売れても、店側はトントンか損失。
レジ袋が売れなければ、当然その分の時間は負担にしかならない。
コンビニの店員さんは、レジの業務が落ち着けば、商品の整理等の別の業務を行いますから、接客時間が増えるのは業務全体に対する負担になります。

そうすると、レジ袋有料化に伴い、店側には負担のみが生じているように思われます。
他方で、1枚3円程度であれば、1年間毎日レジ袋を買っても年間1000円程度にしかならず、客側の負担は少ないと言えます。これでは、安易に利用を継続してしまい、プラスチックごみの削減効果は十分に得られないのではないかとも思います。

このように、店側の負担ばかりが大きく、ごみの削減効果も疑問符がつくということであれば、この際、思い切って1枚30円とかにした方がよいのでは?