弁護士 久保田 庸央
2019.05.23

女性天皇?女系天皇?

 平成の時代から令和の時代に変わって、天皇制に関するアンケートが実施されています。皇室に親しみを感じると回答する方が多いようで、この度の譲位はうまくいったのではないでしょうか。

 また、あわせて、女性天皇を容認するか、女系天皇を容認するかというアンケートも実施されています。とある世論調査では、女性天皇の賛成が7割超、女系天皇の賛成が6割超となっていました。
 女系天皇の方が賛成が少ないので、女性天皇と女系天皇の違いが分かって回答している人もいると思いますが、6割超が賛成となると女系天皇の意味が分からず回答している人がかなりいるのではないかと思います。

 女性天皇は、例えば、愛子様が天皇になられた場合が女性天皇です。この場合、男系の女性天皇になります。
 愛子様が天皇になられたとして、民間から婿を迎えて、その子が天皇になる場合は、男子か女子かを問わず、女系天皇です。
 私としては、この場合の女系天皇はもはや民間人ではないのかという感覚で、これを認めるのは強い違和感があります。女系天皇を容認する場合、マスコミをお騒がせの現在アメリカ留学中のあの方の子が天皇になる可能性が生じるのですが、違和感はないですかね。

 また、これまでの歴史上、女性天皇は存在したようですが、女系天皇が存在したことはないようです。

 私は、女性天皇は認めてもいいとは思っていますが、男系は維持すべきだと思っております。

 悠仁様がお生まれになったときに、女性天皇や女系天皇の議論は一時終息した感がありましたが、男系維持を考えた場合、このままではいつか皇室が途絶えるおそれがあるように思います。
 仮に、お妃様が3人の子をお産みになったとしても、3人とも女の子である確率は8分の1です。この問題は世代ごとに起こるわけで、男系維持を主張し、このまま何も制度をいじらないと皇室が途絶える可能性は結構な数字になります。
 このご時世に従前とられていた側室制度を設けることにはならないでしょうから、かつてGHQによって皇籍離脱することになった旧宮家の方々に皇籍復帰していただくのが現実的ではないかと思います。