弁護士 久保田 庸央
2018.11.21

飲酒運転は本当にやめましょう

最近、釧路新聞で、飲酒運転で逮捕されたという記事をよく見る気がします。
飲酒運転は、酒酔い運転が5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、酒気帯び運転で3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっており、厳罰化されていることは、社会に周知されているものと思います。

また、先日、イギリスでパイロットが逮捕されたという報道がなされました。飛行機事故が起きた場合は、自動車による事故とは比較にならない被害が生じるわけで、とんでもないと思うと共に、パイロットがアルコール検査にパスできずに操縦士が交代したり、出発が遅延したりすることが相当数あるということが明らかにされ、意識の低さに驚かされました。

飲酒運転の上での重大事故については、大きく報道され、社会全体に飲酒運転は非常に悪いことであるとの意識は広がっているはずであろうと思いますし、そうでなければならないと思います。
しかしながら、パイロットの中にも不届き者がいるとすれば、一般のドライバーの意識はそれほどではないのかもしれません。自分は酒を飲んでも事故は起こさない、とか、捕まらなければいいという感覚なのかもしれません。

交通事故に関しては、弁護士が関与するのは、刑事事件では弁護人として、民事事件では賠償の請求をしたり、受けたりする場面です。多数の案件がありますが、飲酒運転がらみの事件は少数です。
多くは飲酒運転ではない中で事故が起こっており、酒など飲まなくても、事故は起こるということです。それを酒を飲んで事故の確率を上げておきながら、自分は事故を起こさないなどと考えるのは自信過剰も甚だしいものと思いますし、嫌悪感すら覚えます。

飲酒運転の上で、人身事故を起こせば、一発実刑(執行猶予がつかず刑務所で服役するということ。)が普通です。被害者側には、加害者が酒さえ飲んでいなければというやるせなさと共に甚大な被害を与え、加害者は自業自得ではありますが、人生を棒に振ることになります。
事故を起こさなくても、飲酒運転で検挙されれば、初犯でも罰金30万円とか罰金50万円程度の刑に処せられるのが普通で、一般の交通違反の反則金とは比べ物にならないほど、重罰に処せられることになります。また、飲酒運転の程度によって、一発で免許取消しとなり、欠格期間(免許が取れない期間)も飲酒運転のみで2年とか3年になるなど、運転する資格の面でも重い処分を受けることになります。さらに、職場でも懲戒解雇等の厳重な処分を受けることになります(懲戒解雇が裁判所で無効と判断されるようなこともあるようですが、個人的には、特に飲酒して車で帰宅したような事件では問答無用で懲戒解雇でいいと思っています。)。

車は便利ですが、扱い方によっては人を殺めてしまうこともある道具です。その扱いは慎重であるべきで、飲酒運転には注意する必要があります。
因みに、北海道では、7月13日が「飲酒運転根絶の日」と定められています。小樽で女性3人が亡くなった事故が発生した日を定めており、このような悲惨な事故が2度と起こらないよう1年を通じて飲酒運転をなくすよう努力していく必要がありますし、これからは忘年会シーズンで特にお酒を飲む機会が増えますから、自身は飲酒運転をしないのは絶対のものとして、また、周囲の人も断固たる態度で臨みましょう。