弁護士 久保田 庸央
2018.03.22

新一年生交通事故にご用心

警察庁の分析で、2017年までの5年間に起きた歩行中の小学生の交通事故で、1年生の死傷者が6年生の3倍以上であり、死亡に限ると8倍になっているとの報道がなされました。

  仕事柄、未成年者が交通事故で死傷した場合に関与する場合は、損害賠償請求の事件ですが、確かに、小学生の低学年が交通事故の被害者になっている事案を受任することは多いように思います。

 小学1年生が事故の被害に遭う要因はいくつもあるものと思いますが、まず、親側の事情としては、就学前は子供につきっきりであったものが、小学校に入学すると子供だけで行動させることも増えてくるということがあろうかと思います。
 また、子供の事情では、小学校の低学年であれば、交通ルールの理解が未熟であったり、興味や関心が向いてしまえば周りが見えなくなる傾向(例えば、ボールが道路に出てしまった場合にボールだけを見てしまって道路に飛び出す。)も強く、事故に遭いやすいということがあろうかと思います。
さらに、車側の事情では、小学6年生くらいになれば、車から大人と同等程度には見えるものと思いますが、小学1年生では、車からは見えにくいということも要因であろうと思います。

 これから入学シーズンに入りますが、せっかく小学校に入学するのに、交通事故の被害に遭うということは絶対に避けなければなりません。
 私も親の立場で自戒しなければならないと思っていますが、小学校に入学したといっても、まだ6歳ですから、交通ルールを叩きこむことはもちろん、どういう場合や場所が危ない、何を注意するかも教え込んでいかなければならないと思いますし、不必要に子供だけにしないということも大事であると思います。
 また、車の側では、小さい子は見えにくく、そして、不可解な行動をとることもあるということで、特に、子供が外出するような日中の時間帯や住宅街や学校の近くなどの場所においては、子供を探すように気持ちで周囲の状況を把握し、子供を発見した場合には、突発的な行動にも十分備えて慎重に運転する必要があると思います。
 さらには、周りの大人も、子供が真似をするようなことがあってはならないので、車が通っていないからといって赤信号無視をしたり、散々危険であると指摘されている歩きスマホなどは厳に慎むべきであると思います。
 小さな子供が交通事故の被害にあうような痛ましい事故が少しでも減るように、私自身も気を付けていこうと思います。