弁護士 荒井 剛
2018.03.01

「百聞は一見に如かず」の続き

 日常生活の中では、多くのことわざや故事成語に触れる機会があるかと思います。
 犬も歩けば棒にあたる、石の上にも三年、馬の耳に念仏、二兎追う者は一兎をも得ず、五十歩百歩といったところは必ず聞いたことがあるかと思います。これと同じく有名なものとして「百聞は一見に如かず」というのがあります。
 いくら人から話を聞いたとしても実際に見ないとわからないという意味ですね。
 よく使われるのはここまでですが実は「百聞は一見に如かず」には続きがあります。
「百聞は一見に如かず」

「百見は一考に如かず」

「百考は一行に如かず」

「百行は一果に如かず」

 と続きます。

いくら話を聞いたとしても実際に見ないとわからない。
いくら見たとしても何も考えないでいると何も進まない。
いくら考えたとしても実際に行動しないと何も変わらない。
いくら行動したとしても結果が出ないことには行動の意味がない。

なるほどと思います。

  最後の「百行は一果に如かず」という部分の「一果」は「結果」という意味ですが「結果」の内容は次のように考えております。つまり、目に見える功績を残せたときは当然「結果」を残せたということになるかと思いますが、目に見える形で功績を残せなかったとしても行動をとったことで新たな課題を発見することができたのであれば「失敗は成功のもと」と言われるように失敗という「結果」であってもその後の成長につながる以上、行動をした意味があったということになります。

 大事なのは、自分で見聞きし、考え、実際に行動する、そして、行動後にその行動を振り返ってみるということだと思います。そうしないと失敗したときにどこが原因だったのかを分析できず、成長の機会を逃してしまいますし、それまでの過程が無意味になってしまうからです。

 ということを最初から心がけて司法試験の勉強をしていれば
もう少し早く合格していたかなあって思います。