弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 鍛冶 孝亮
2017.01.19

お年玉は誰のもの?

1.お正月は子どもにとって1年で一番嬉しい時期なのではないでしょうか。

何が一番嬉しいのかというとやはりお年玉をもらえることです。

誕生日やクリスマスなどのイベントは、主に物品がプレゼントされると思いますが、現金を直接もらえるのはお年玉以外ではあまりないと思います。

もっとも、最近テレビで、お盆に小遣いを渡す「お盆玉」という風習が広がってきたという話を聞きました。子どもにとっては非常に嬉しいことですが、大人にとっては財布が痛い話です。

なお、もらったお金を自由に使いたいと思う子どもと無駄遣いをさせまいとする親のバトルが発生するのもお正月の風物詩かもしれません。

2.そもそもお年玉は誰のものなのでしょうか。

親に預けないといけないとよく言われますがはたしてそうなのでしょうか。

もし親が無断でお年玉を使ってしまった場合の責任などについて考えていきます。

  民法上、未成年者(20歳未満のもの(民法4条)、以下「子ども」といいます。)が法律行為をする場合には、原則として法定代理人(両親)の同意が必要とされます(民法5条1項)。

  これは、判断能力が不十分な子どもが、よくわからないまま高額なものを買わされるなど不利な内容の取引をして財産が減少する場合があるため、子ども一人で取引をすることに制限を加えたものです。法定代理人の同意なく行われた取引は、法定代理人によって取り消すことができるとされています(民法5条2項)。

  このように、子どもが単独で取引をすることは法律で制限を受けている一方、子どもであっても出生とともに権利能力を有し、財産の保有は認められております(民法3条1項)。

なお、親が使用目的を定めて渡したお金(学用品を購入するために渡したお金)や使用目的を定めないで渡したお金(お小遣い)については、親の同意なく自由に使うことができるとされています(民法5条3項)

  お年玉は親族などの子どもに対する贈与であると考えられているため、もらったお年玉は子どもの財産になります。

  一方で、子どもは親が認めない限り自由にお金を使うことができません。

民法では、親権を持つ両親は、子どもの財産を自身の財産と同じように注意して管理しなければいけないとされています(民法824条、民法827条)。

  親は子どもの財産を管理することができるため、親が子どものお年玉を預かると決めた場合、子どもはこれに従わなければならないと考えられています。

  もっとも、親はあくまでも子どもの財産を預かっているだけですので、自身の財産と分けて管理しなければならず、親が私的なものに使ってしまうと問題になります。

  例えば、お父さんが子どもから預かっていたお年玉で、ゴルフクラブを購入した場合には、その代金分子どもに損害を与えたわけですから、民事上では、使ってしまった額を賠償する責任が生じます。

  刑事的には横領罪(刑法252条)という犯罪が成立します。ただし、特定の犯罪については、一定の関係をもつ親族の間で行われた場合、刑を免除するという規定があり(刑法244条1項)、横領罪にもこの規定が適用されるため、実際に刑務所に入ることはないと考えられます。

3.前述したように、子どもにも財産を持つ権利があり、あくまでも親はその財産を管理しているに過ぎません。

買い物をしようとしたところ、財布にお金が入っていなかったので、子どもから預かっていたお年玉を使ってしまい、ちゃんと後で返したということであれば、笑い話になるかもしれませんが、例えば、祖父母が遺言で「孫の将来のため」とまとまったお金を残しているような場合に、それを親が私的に消費するようなことがあれば、子の利益を害したとして、家庭裁判所から親権の喪失や停止の審判が下される場合もあります。

子ども名義の預金通帳を作成し、お年玉などの子どもの財産はそこに入金してしっかり管理することが大切だと思います。

4.以上、お年玉についての法律的な話となりましたが、以下ではお年玉で金銭感覚を身に付ける話をしていきます。

  親が心配するのは、子どもがまとまった現金を取得することで、金銭感覚が狂ってしまうということだと思います。

  だからといってお年玉は全部貯金することを強要すると、せっかく自由に使えるお金ができたのにと、子どもが不満に思うのは当然のことだと思います(お年玉を渡す方も、すべて貯金させるために渡しているわけではないと思います)。

  お金を使って自由に買い物をすることができるという楽しさを知ってもらう反面、無計画にお金を使うと本当にほしいものが出てきたときに買うことができないので、しっかり計画を立ててお金を使う必要があることをわかってもらうことも必要だと思います。

  例えば、お年玉をもらったら、まず受け取ったお年玉の総額を親と子が一緒に確認します。そして、一年間の支出予定を考えます(ゲームソフトの発売日や誕生日会、イベント(バレンタインデー)など)。支出予定に基づき、貯めておかなければならないお年玉を計算し、使えるお金と貯めるお金を確認するというものです。

  このように具体的に支出の予定を考えることで、子どもとしても貯めておく理由が理解しやすいのかなと思います。

  貯まっているお金の残高をしっかり確認できるように、子ども名義の口座を作り、子ども自身にいつでも預金通帳の中身を確認できるようにすることも、お金を貯める楽しさの1つになるのではないでしょうか。

5.このコラムを書いたのは1月の半ばですが、既にお年玉を使い切ったという子どもも多いと思います。

  もし余っているお年玉を親が預かるとなった場合、親はしっかり管理しなければならないことを意識した上で、余っているお年玉の計画的な使い方を話し合ってみてはいかがでしょうか。