弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2016.11.24

ブータンを訪れて(後半)

 前半はブータンという国がどのような国なのかというところを紹介いたしましたが、後半部分では実際に行った事業内容を紹介したいと思います。

 今年の4月に初めてブータンを訪問した際、ティンプーロータリークラブの案内でブータンの首都ティンプー市内にあるZilukha (ジルッカ)Middle Secondary Schoolという学校を視察しました。日本でいえば幼稚園から中学生までが通っています。1983年創設の公立校で、生徒数が1、000人を超える大きな学校です。8割の生徒が貧しい家庭環境にあり、かなり遠方から通っている生徒が多くいるとのことでした。ブータンの教育制度では、6年生までが通うprimary school、7-10年生までが通うmiddle secondary school、そして、11、12年生が通うhigh secondary schoolに分類されています。私立に行く場合は別ですが、公立の学校に通う分には教育費は無料です。優秀であれば大学、さらに国費で海外留学も認められています。このような大きな学校ではありますが水環境はあまりよくありません。学校の校長先生から、水環境に関しては、現在、「3つの問題」があると説明してくれました。

 1点目は、絶対的な貯水タンクのサイズが小さいということです。そもそも上水道が日本のように整備されていません。ティンプーでは、朝と晩の2回、市から水が供給されます。供給される水を貯水タンクに貯めることになります。したがって、タンクが小さいとそれだけ使える水が少なくなります。タンクに供給された水で、生徒、先生が使うトイレを流し、また、普通に手を洗ったりする際に使用します。飲み水にはなりません。生徒たちはトイレに行って手を洗うといっても一回あたり10滴程度の水しか使えません。また、ご飯を食べた後に手を洗うといっても1人あたり10秒ほどしか使えません。

 2点目は、きちんとした生徒の手洗い場所がないということです。校長先生の発案で、一本の管に何箇所か穴を開け、その穴から噴水のように出てくる水を使って手を洗うことが一応はできるようになりましたが、絶対的に使用可能な水量が少ないことと、生徒数が1、000人を超えている以上、洗い場所としても全然足りません。蛇口をひねれば、水が出るし、その水も飲むことができる日本とは大違いです。

 3点目は、供給される水はそのままでは飲むことができないということです。浄水するフィルターが必要だということです。行政もなかなかインフラにかけるお金がないそうなのです。

 そこで、現地のティンプーロータリーのメンバーと協議し、ロータリーの補助金及び釧路ロータリークラブの会員からの拠出金を基に、これらの問題点をクリアーするため約5300ドル(55万円程度)の予算でサイズの大きい貯水タンクを仕入れ、また、子ども達が対面しながらきちんと手を洗えるような手洗い場を設置することにしました。

 実際の設置事業は、地元のティンプーロータリークラブを通じて行いました。その事業が完成したため、その完成式に参加するため今年の9月に再び、ブータンを訪れました。子ども達に温かく迎えられ、入れ替えて大きくなった貯水タンクや新たに設置した手洗い場の前で除幕式を行いました。手洗い場では、本当に子ども達が嬉しそうに手を洗っておりました。ただ、手洗い場で同時に手を洗うことができるのは30人程度です。この学校には1000人を超える生徒がいるため本当は複数の手洗い場を設置できればよかったのですがはじめての支援だということもありこの程度にするほかなかったということです。







 学校側からも感謝の言葉をいただき、生徒を代表してある小学校高学年の子、あるいは中学生と思われる子から流暢な英語で感謝のスピーチをいただきました。シェークスピアの戯曲から引用した一節でスピーチを締めるという素晴らしい内容でした。(と思います。私の理解力不足もありますのでなんとも言えませんがおそらくそうだと思います・・・)。





 ブータンでは、ゾンカ語という言語が使用されているのですが、国の教育方針として授業などはすべて英語で行うことになっております。そのため小さい子ども達は皆きれいな英語を話すことができます。教育レベルは高いですが水の衛生環境自体はまだまだ十分ではありません。また、遠方から通学している子で飲料用の水筒も持ってくることができない子もいると聞きました。その子は友達から水をもらったりしているそうです。タイで浄水機を設置する事業を行った際、生徒だけではなく学校の近隣住民もしくは生徒の親も浄水を飲めるようにということで自販機をあわせて設置し、その売上で浄水機のメンテナンス料を支払うようにしました。このようなシステムをブータンでも導入したらどうかと学校の先生に提案したところ、そうすると自販機の水をそもそも買えない子が出てきて、その子がそもそも学校に来なくなってしまうおそれがある、一番大事なのは、勉強しに学校に来てくれることだと言われ、教育にかける思いが強いと感じました。これも教育費が無料だから成り立つのだと思います。

4月と9月と2回の渡り、ブータンを訪れましたがいずれも首都ティンプー及びその周辺を回ったにとどまりますので、今度は、もう少し時間をとり、数日間かけて国を横断し、奥地まで行ってみたいと思います。

以上

p.s.

民族衣装(ゴ)を着て、世界一座高が高い(と言われている)大仏像の前で