弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

ヘッダーイメージ
ご相談の予約・お問い合わせ

釧路本店

概 要
〒085-0017
釧路市幸町6丁目1番地2号AKビル

TEL

0154-32-0515

受付時間

平日9:00~17:00

無料駐車場完備

中標津事務所

概 要
〒086-1128
標津郡中標津町西8条北5丁目1番地13

TEL

0153-72-8121

受付時間

平日9:00~17:00

無料駐車場完備

釧路弁護士会バナー 法テラスバナー 勤務弁護士募集
弁護士 荒井 剛
2016.06.29

大人の対応

 以前、アルハラをテーマにしたコラムを書いたことがありました。

http://www.ak-lawfirm.com/column/557/ 参照。



 そのコラムでも触れたのですが私自身、実は、アルコールは飲めません。

 お酒が飲めないのに「飲め」と言われて困ったりしたことはないのかと聞かれますがもちろんそれはあります。大学時代、頑張って飲もうとチャレンジしましたが結局ダメでした。それでも今の時代、ノンアルコールカクテルの種類も増え、また、飲酒運転に対する目がかなり厳しくなってきたため以前に比べ、お酒が飲めない人にとっても暮らしやすい世の中になってきたと感じます。でもお酒を飲めない人は昔からいたはずです。もしお酒が飲めない私が下戸の武士として江戸時代にタイムスリップしていたらどうなっていたのだろうかと思うことがたまにあります。



 そこは武士の世界。上からの命令には絶対服従。飲めと言われたのに、飲めませんと断ったら最後、その場で斬り捨てられてしまうのではないか。武士だから酒ぐらい飲めるようになれと言われ続けていたのか、そうだとするととても江戸時代では生きていけなかったなどと思ったりします。しかし、実際にはそうではなく江戸時代でも飲めない人は当然いましたので、そのような人に対する配慮、つまり、大人の対応(作法)があったようです。具体的には、次のように行っていたそうです。宴席で酒を注がれそうになったとき、普通であれば、盃のほうに目を下げるのが礼儀となります。しかし、酒が飲めないという場合には、盃のほうに目を下げるのではなく、お酌をする人に目を合わせます。これは自分は酒が飲めませんという合図になっていたようなのです。そして、酌をする側もその合図を察知し、ちょっとしか注がないようにしていたそうなのです。これが武家の礼法だったようです。なんて素敵な大人の対応なのでしょうか。安心しました。これで江戸時代にタイプスリップすることができます。



 そんな私なのですが先日、こんな事件が起きました。

 今年の4月から当事務所に入った新人パートさんの歓迎会を当事務所で催したときのことでした。いつものように私はウーロン茶やジンジャーエールをビシバシと注文し、快調に飲み続けました。そして、1次会が終わり、二次会のため末広町内にあるお店に皆で移動しました。二次会に参加した弁護士や他の事務員さんはその日が金曜日だったこともあり当然のように次々とアルコールを注文していく中、私は「緑茶」(冷たいやつ)を注文。実は、新人のパートさんも私と同じで酒が飲めない体質で、私に気を遣ったのか私と同じく「緑茶」(冷たいやつ)を注文していました。



 この手の店ではよく酒のつまみとしてスナック菓子やナッツ類が提供されますが、私とその新人パートさんは、これらをボリボリ食べながら「緑茶」を飲んでいました。「緑茶」はジョッキサイズの大きさでしたので結構な量でしたが、左手には「緑茶」、右手には「ナッツ」、そんな感じでかれこれ30分位談笑しておりました。

 私自身、「緑茶」を口にした最初の一口から妙に苦いなとは感じていたのですがナッツの味と一緒になったのだろうとしか思っておらず、やり過ごしていましたが、明らかに普段感じない体のほてりを強く感じるようになったため、嫌な予感がしつつも、恐る恐るこの「緑茶」にはアルコールが入っているのでは?そんな不安を口にしてみたところ、何とその新人パートさんもまったく同じリアクションでした。「やっぱりそうですか!私も何か変だなってそう思っていました!」とのこと。すぐに店員さんに来てもらい、厨房に確認してもらったところ、注文はたしかに「緑茶」で受けていたものの厨房側で間違えて「緑茶ハイ」にしてしまったようです。

 私は、酒を飲めないためここ数年間、ほぼ一滴のアルコールも体内に入れていませんでしたので、意図せずアルコールが体内に入ってしまった自体にちょっとした憤りを感じていました。その憤りを店員さんが察したのか、こちらが特に呼んでもいないのに、店員が「すぐに店長を呼んできます」と言ってきました。少しして店長さんがやってきました。

 しかし、人を小馬鹿にするようなその店長の態度に唖然。口を半開きにしたまま「すんません」(す・い・ま・せ・ん、ではなく、す・ん・ま・せ・ん)、「間違えてしまったようで、すんません」。・・・我々が唖然としていると、「で、何か問題でも?」と言わんばかりの顔つきをされたため、さすがに「いやちょっと待ってください。間違えてしまったことは仕方がないです。それはいいんです。でも車を運転して帰ろうと思っていたんです。私も彼女も(新人パートさん)」と言うと、その店長、「ったくめんどくせーな」(と言ってはいないのですが)、そのような感じで「じゃあ代行の費用、負担しますよ。って、いつどこに帰るんすか。」って言ってきました。いや待てと、いまみんな飲んでいるし、注文したポテトに至ってはまだ来てもいない!そんな状態で今すぐ帰ると言うわけないし、一体、どんな対応をしているんだと思いつつ、感情的にならず、代行費用を負担するという店長の申し出に感謝の意を示し、大人の対応をしてその場をしのぎました。



 意図せず緑茶ハイを飲んでしまったことについてもそうですが、その後の店長のあまりの対応の悪さにショックを受けました。店長さん、もうちょっと大人の対応をしてほしかったなと思いました。



 と思うのと同時に、あれっ、お酒、実は、少し飲めるんじゃないの?とそう感じた出来事でした。