弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2014.02.04

100、000年後

「100、000年後の安全」という映画を観ました。

これはフィンランドの「オンカロ」と呼ばれる、

放射性廃棄物埋蔵施設についてのドキュメンタリーです。

観終わったとき放心状態になりました。

ちょっと次元が違います。

原発推進か反対か、

という二者択一の問題ではありません。

現時点ですでに放射性廃棄物が世界中に存在している以上、

その後処理の問題は不可避です。

フィンランドは「オンカロ」を作り、

核のゴミを地下深くに閉じ込めるという方法を選択しました。

工事は途中ですが何十年か後に完成する予定です。

放射性廃棄物が人体に影響を及ぼさなくなるためには、

最低でも100、000年必要だと言われているようです。

誰がどう計算したのかわかりませんし、

実証しようもないのですが、

途方もない時間が必要だということはわかります。

「オンカロ」は放射性廃棄物を100、000年

地下にとどめようとしているのです。

100、000年は気の遠くなる年月です。

地下埋蔵施設が100、000年も本当に維持できるのか。

ドキュメンタリーの中では、

古代エジプトのピラミッドの話が出てきました。

ピラミッドは何の目的で作られたのか明確ではありませんが、

考古学者はピラミッドの中まで調査し、

墓を掘り返してまで、それを明らかにしようとしています。

古代に書かれた字や絵を見ても

今の我々はそれを理解することができません。

それと同じように、

もし将来世代が「オンカロ」を発見したとき

その人たちはどのような行動に出るのでしょうか。

「オンカロ」が一体どのような施設なのか、

古代文明の遺物ではないかと考え、

「オンカロ」の奥深くまでに入り、

蓋をあけてしまわないだろうか。

そのときに、

すでに100、000年が経過していればいいですが、

もしその前にあけてしまったらどうなるのか。

それを防ぐためにはどうすればいいのか。

将来世代の人に対し、

「これは危険です、絶対に中に入ってはいけない」

という意味の文字あるいは絵を残すという方法はどうか。

ただ、将来世代の人は、

われわれの文字を認識していないでしょう。

では、一見して危険であることを察知することのできる絵

を残すのはどうだろうか。

具体的にはムンクの「叫び」などがいいのではないか。

しかし、これだとかえって目立つし、

逆に、好奇心を刺激してしまうのではないか。

したがって、まったく標識らしきものを残さない方がいいのでは・・・

等など、ちょっと日常では考えられない疑問や

不安が次々と紹介されていきます。

漠然と地下に埋めるという方法がある

という程度の知識しかなかったですが、

将来のことを思うととんでもない問題が

多くあることを感じました。

埋めるのがいいのかどうかはさておき、

核のゴミをきちんと処理できていないにも関わらず、

さらに新たに核のゴミを作ってどうするんだ、

と本当に思いました。