弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2012.07.24

「被告」と「被告人」って違うの?

なぜそうなっているのかよくわかりませんがマスコミでは刑事裁判で裁かれようとしている人を「被告」と呼んでいます。しかし、これは実は不正確なのです。一般的に、「被告」という言葉を聞くと悪いことをした人間だというイメージをもたれるかもしれませんがそれは誤解です。



法律上、刑事裁判にかけられた者は「被告」と呼ばれるのではなく「被告人」と呼ばれます。「被告」と「被告人」とではたいした違いがないのではないかと思うかもしれませんが実は大きく違います。



世の中で裁判といわれているものには大きく分けて「刑事裁判」と「民事裁判」があります。「刑事裁判」は、罪を犯したと疑われる人に対して有罪か無罪か判断され、有罪であれば刑務所に入るか、あるいは執行猶予をつけるかなどが決められます。

一部、裁判員裁判が導入されるようになったのはこの「刑事裁判」です。刑事裁判として正式に裁判にかけることを「起訴」といいますが、日本の制度では、起訴するかどうかの権限は検察官が独占しています。検察官は、捜査を行った上で起訴するため誰もが簡単に「被告人」になってしまうことはありません。



これに対して、民事裁判では交通事故に遭い後遺症が残ったため慰謝料や逸失利益を請求したい、あるいは、相手が協議離婚に応じないため裁判で離婚したいといったことが取り上げられます。紛争を解決したいと考えている当事者であれば基本的に誰でも裁判所に民事裁判を提起することが可能です。

そして、民事裁判では、裁判を訴えた側を「原告」と呼び、裁判を訴えられた側を「被告」と呼ぶことになっています。原告側に十分な証拠がなく、言いがかりに近い状態で裁判を提起されることもなかにはございます。したがって、「被告」として訴えられたからただちに何か悪いことをしたということではないですし、ましてや刑事裁判の「被告人」として裁判にかけられているわけではありません。



法律相談を受けていますと、何も法に触れるようなことをしていないのに「被告」として訴えられ、どうすればいいのかという方がいらっしゃいます。「被告」は刑事裁判の「被告人」とは全く違います。

民事裁判にかけられたことを理由に逮捕されるということはありません。まずは慌てずに裁判所から送られてきた書類に目を通すことが大事です。「民事裁判」をかけた「原告」が一体何を求めてきているのか、また、それがどのような理由によると言っているのかを確認することが何より重要です。



とはいえ、事実に食い違いがあるがどのように反論していけばいいのか、あるいは裁判所からの書類に書かれている言葉の意味がわからない、また、今後どのような流れで裁判が進むのかなど不安を感じるような場合には、一度、法律相談されることをお勧めします。