弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 鍛冶 孝亮
2012.05.15

少年事件について(2)

少年事件では、少年が非行事実を認めた場合、事件を起こした少年の現在の性格や家庭環境などに照らして、再び非行を行う危険性が認められるのかどうかが、家庭裁判所での審理対象となります。

審理の結果、少年の自由を拘束して非行性の矯正を行う必要があると判断されると少年院送致の処分が下されます。少年を家庭や職場においたまま、保護観察所の関与のもと、改善更生を図ることができると判断されると、保護観察という処分が下されます。

では、少年の再非行防止のために、どのようなことが付添人に期待されるのでしょうか。少年事件では、
①内省させること
②再非行防止のための環境を調整すること
が再非行防止のために必要であるといわれています。

「内省させる」とは、「自分の考えや行動などを深く省みること、反省すること」という意味です。

少年に内省してもらうためには、自分の行為がどうして法律で規制されているのか、行為によってどのような被害が生じたのか、自分が被害者や被害者の家族の立場だったらどのように感じるのかなどを、少年に真剣に考えてもらう必要があります。

また、事件のことだけではなく、これまでの交遊関係や家族との付合い方、生活の改善なども考えてもらう必要があります。

このように少年が事件内容や事件の背景にある問題と向き合うことで、自らの行為を反省し、再非行の防止に繋がっていくと考えます。

少年自身は、事件記録(被害者が事件について述べている調書など)を見ることができませんが、付添人は事件記録を見ることができます。
付添人としては、事件記録に書かれている被害の事実や被害者やその家族の心情を少年に伝えたり、少年と一緒に事件の背景にある問題点を考えるなどの活動を行うことになります。

過去に担当した傷害事件では、被害者の怪我の写真を少年に見せて、反省を促したこともありました。
再非行の防止のためには、環境調整も重要です。
環境と一言でいっても、家庭、学校や職場など様々なものがあります。それぞれの事案に応じて、再非行防止のためにどのような環境整備が必要なのかを考えなければなりません。

付添人活動として考えられるのは、例えば、保護者とともに非行事実の原因となった家庭内での問題点の改善を考えていくこと、少年が更生に向けて努力していることや事件前に比べて成長していることなどを学校や職場に伝えて、復学・復職の協力を求めること、少年が働いていない場合には、どのような仕事に就きたいのかを少年と一緒になって考え、社会復帰後の就職に向けて就職や資格に関する資料を差し入れること、などが考えられます。

具体的な例をあげればキリがありません。各事案によって、必要となってくる付添人活動も様々で、付添人としてできることにも限界もあります。

少年事件では、裁判官、家庭裁判所調査官(心理学、教育学、社会学などの専門知識・技法を活用して、少年の性格、日ごろの行動、生育歴、環境などについての調査を行う裁判所の職員)、少年鑑別所の職員、保護者、付添人などの関係者が協力して少年の再非行の防止の実現を図っていくものです。

司法修習時代、少年事件を担当されていた裁判官は良く「少年は変れる(更生できる)」と言っていました。

弁護士になったあと、実際に少年事件を担当して、逮捕された当時と比べて、少年が別人のように変わっている姿を見たこともあります。そのときに、裁判官の言葉を思い出しました。

場合によっては、成人の刑事事件よりもすることが多く大変な少年事件ですが、付添人となった弁護士は、少年の更生を信じて、少年事件を担当しています。

2回にわたるコラムで、少年事件の特色や付添人制度の必要性などを説明しました。
国選付添人制度実現の必要性、また、少年事件の根本にあるのは教育的手段による再非行の防止にあることをご理解していただければ幸いです。