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弁護士 小田 康夫
2022.02.03

計根別学園で話したかったこと~挑戦と失敗がなぜ大事なのか~

当時の私の音楽の先生からお声がかかり、昨年12月15日に計根別学園(母校)で講演をしました。計根別学園と言うのは小中一貫校です。講演と言っても、12名程度の8年生(中学2年生)に向けて、教室で話をするものです。お題としては「理想とする生き方を実現するために中学生のうちに行ったこと等の講話」。なかなか難しいお題です。

実際の講演としては冒頭、
中学2年生からの事前質問に回答をして、

途中で、格言的なことを伝え、

最後、私の「失敗談」を話しました。

実際の講演では、
話が2転3転してしまいました。
このコラムでは、
本当に話したかったことを書いて(講演の時より整理して)まとめておき、中学生に向けて伝えたいことを残しておこうと思います。
***************
今日私が言いたいことは、「挑戦(と失敗)がなぜ大事なのか」という話です。

まずは、事前にいただいた質問を確認したいと思います。
●自分の気持ちに勝つ方法を教えて下さい。
●どうしたら諦めない心を持てるようになりますか。
●成績を上げるためにどのような勉強法で勉強しましたか。
●良い人間関係を築くためには大切にしていることは何ですか。
●大学に進学するとしたら、高校から学力の高い学校に行った方がいいですか。
●今までの人生で1番大変だったことは何ですか。

●●●
最初から3番目までの質問は、回答は重なりますね。
私の経験ですが、いきなり頂上を目指すと「大変だ」「辛い」「もう勉強したくない」と思ってしまうものかなと思います。山登りと同じで、1合目、2合目、3合目と上って、休憩して、だんだん高いところに進みます。いきなりテストの2週間前になって、テスト勉強をしようと机に向かってもなかなかスイッチが入らない。「最初からすごい人」になろうとしても無理でして、少しずつ、少しずつ、一歩一歩、進んでいくことが大事です。1%の努力を続けること。もう指数は習いましたか?1.01つまり1%の努力を365日続けると(1.01の365乗)、どれくらいの数になるかわかりますか?

1.01×1.01×1.01×‥‥=約37.8

これは、もともと1、つまり何者でもなかった自分が、1年後には37倍もの人間になっている、ということです。逆に0.99を365乗すると、約0.03になります。じゃあどうやって、1%の努力を積み重ねていくか。私が勉強の際に、実践していたのは、「自分ルール」というやり方です(実は今もやっています)。自分ルールと言うのは、なんでもいいですが「計算問題3問を解いたら●●(ご褒美)をする」というように、達成する目標を決めて、自分にご褒美を与えていくやり方です。ご褒美は小さくてよくて、自分の好きなチョコを一つ食べるとか。私が今も実践しているのは、「この本を読み終わるまで、SNSをしない」「ここまでやったら、好きな人のTwitterを見る」というやり方です。SNSには依存性がありますから、「どうしても見たい!」という気持ちを利用して勉強をするというやり方です。オススメです。

●良い人間関係を築くためには大切にしていることは何ですか。
この質問は、良い人間関係の形成の仕方ですね。自分が社会人になって、気が付いたことですが、良い行いをする人の周りには良い人が集まりますし、逆に、悪いことをすると悪い人が寄ってくるという法則です。つまり、良い人間関係を築くには、まず自分自身が良い人行いをすることが重要だと思います。そうしたら、良い人が集まってくるような気がします。

●大学に進学するとしたら、高校から学力の高い学校に行った方がいいですか。
次は高校選択の質問ですね。これはなかなか難しい質問です。私の進路としては、計根別中学校を卒業して、難関高校に進学せず、地元の中標津高校に進学しました。皆さんもご存知のとおり、中標津高校は偏差値43くらいですから、学力が高い高校とは言えません。その後の私の人生のプロセスをみると、

中標津高校卒業

1年浪人

大学進学

大学院進学

2年司法試験浪人

と言う流れですから、決して「成功したプロセス」ではありません。これを見ると、高校の選択の時点で「失敗している!」と考えることもできると思います。

しかし、最近ですが「高校の選択は間違っていなかった」と思うようになりました。というのも、「成功したプロセス」というのは、一概に決められないからです。言い換えると、その後の長い人生において、大学受験(や司法試験)に失敗したことが、最終的に自分の人生を成功させる基礎となるかもしれないからです。

恥ずかしい話ですが、高校を卒業して、大学に進学できず、1年間、札幌で浪人しました。
しかし、私は、「自分ができるほう」という自信がありました。その自信は、今から考えると、過信(自信過剰)なのですが、当時は、そんな過信や自信過剰があったことは気が付いていません。1年浪人して、北海道大学に進学しました。北海道大学に進学できたというのも、その自信を深める原因になりました。大学院に進み、司法試験に挑戦して1度目に不合格になった時もその自信は崩れませんでした。ようやく自信を失ったのは、2回目に不合格になった時です。遅すぎるのですが、ようやくその時になって「今のままじゃマズイ」「周りの人の意見をちゃんと聞こう」と思えるようになりました。

●今までの人生で1番大変だったことは何ですか。
これは、その2回目の司法試験に落ちた時、落ちて1年間勉強した期間です。
この時の絶望感と言ったら、なかなか言葉に言い換えられません。
ただ、その絶望を機に、自分を変えることができたのではないかと感じます。

ようやく「理想とする生き方を実現するために中学生のうちに行ったこと等の講話」というテーマに戻りますが、理想とする生き方を実現するには、私の経験からすると、謙虚であることが大事なポイントであるように思います。

謙虚であるとはどういうことか。

謙虚というと、辞書なんかを見ますと、「控え目で、つつましいこと」なんて書いてありますが、そうではありません。大人の意見を聞いて、大人していることなんかでは全然なくて、自分の弱点を冷静になって見つめること、これが謙虚と言う言葉の本当の意味であると思います。

じゃあ、謙虚になるにはどうしたらよいか。

自分のかかげた目標に向かって、努力し、挑戦をして、失敗をするプロセスが必要であると考えます。というのも、失敗をしても、何にも努力をせずに、ただその場しのぎであれば、恥ずかしくもないし、悔しくもなんともありません。努力や苦労のプロセスの中で、失敗を経て、恥ずかしい思いをすることで、ようやく、出てくる経験知が、謙虚ではないでしょうか。皆さんの理想の生き方を実現する上で、何か新しいことに挑戦をする場面が必ず出てくるでしょう。その際に、大事にしてほしいと思うのは、真剣に挑戦をしてみて、得られた失敗なら、その失敗は決して「文字通りの失敗」ではないということです。人生は長い。謙虚であることを経験知として得たら、その挑戦にはその時は、失敗してしまっても、その後の人生において、重要な成長の機会を得たのではないかと思います。

少しまとめると、
謙虚になるには、失敗をしなければならない。
失敗をするには、挑戦をしなければなりません。
挑戦というのも、真剣な努力を伴うものでなければなりません。
成長の方程式があるとすれば、

努力

挑戦

失敗

恥(絶望を含む。)

謙虚(=弱点に見つめる機会)

成長

努力

(以下同様)
という構造になるでしょう。

最後、今日のテーマにもどって。
「挑戦と失敗がなぜ大事なのか」。

皆さんには可能性しかありません。
挑戦をしないと、失敗のプロセスを得られません。
真剣な挑戦は、成長の機会を獲得するプロセスの出発点なのです。
だから、努力を伴う真剣な挑戦が大事。

その挑戦の結果、派手に失敗をしてもいいんです。
自分を客観的に見ることってなかなかできません。
自分の弱点となると、なおさら見出すことは難しい。
失敗によって、ようやく自分の弱点を知り、成長の機会を得ることができる。

「失敗のプロセス」を踏むことは、
長い人生の時間軸でみれば、
「成功したプロセス」の一環なのです。

だから、真剣な挑戦が大事だし、失敗はもっと大事。
みなさんの挑戦と「失敗」に期待をしています。