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弁護士 小田 康夫
2021.07.07

街づくり=「他人ごと」を「自分ごと」に代えていくプロセス=民主主義?

先日、「ドット道東」という団体が行っている、「地域づくり」に関わるクラウドファンディングに寄付をしました(https://camp-fire.jp/projects/view/429669)。

なぜ寄付をしたのか。
それは私の考える「民主主義」に関わります。

民主主義とは、
みんなのことはみんなで決めることです。
ただし、1億人の人口がいれば、
1億人が集まって議論して決めることは現実的に不可能です。
そこで、どのように「みんなのことはみんなで決める」か、そのやり方が問題になります。

小難しいことはネットを調べればでてくるのですが、
簡単にいえば、現状、
一部の代表者に任せて、国のルールを決めていこう、
という代表民主制が採用されています。

当たり前ですが、
政治家だってたくさんの人がいるんですから、
自分が良く知らない人がほとんどです。

「こっちの人がいいかな?」
「あっちの人がいいかな?」
「いやいやそっちかな?」

と私も考えて(調べて)投票するのですが、
どうしてもインターネットで検索して調べる内容に
頼りがちとなります。

実際、インターネットには、
偏った情報が多く、
本当にこの情報を信じてよいか、
十分に吟味する必要がありますが、私自身、そのような情報に踊らされずに、きちんと情報収集ができているかは不安になることがあります。

そのようなプロセスを経て、
会ったことも、見たこともない人を、
選んで、「あなたに、この国を、お願いします!」という投票をするのですが、

●私が調べた情報は正しかったのか?
●その情報に基づいて、私は適切な判断をしたのか?
●適切な判断をしたとしても、その政治家が(今後)本当にちゃんとした仕事をしてくれるのか?
など不安材料を挙げればきりがありません。

このような不安材料が出てくる、
根本的な原因は何か。
それは、やはり「その人を良く知らない」からです。

ここにいう「その人」つまり、「代表者」を選ぶというプロセスを含む民主主義の「建付け」自体が、とっても難解です。

代表者を選ぶという作業は、例えていうなら
巨大建造物を、構成する柱(はしら)を選ぶようなもので、
●この柱がどんなにところに使われるのか、
●この柱がどんな強度なのか、
●この柱ってそもそも今回の建造物に必要なのか、
よくわからないまま選んでしまう要素がどうしてもあります。

国というのは、
どうしても巨大なシステムを前提にしている以上、
その巨大システムの中枢にいる人たちを選ぶ作業もやはり大事業となります。

当たり前ですが巨大な建造物をつくるのはやはり難しい。
もう少し、コンパクトな施設をつくるほうが、
まだ簡単です。

国からサイズダウンして、
都道府県、さらに、
市町村。

ここにいう市町村というのは、自分が住んでいる街です。
自分に身近な人なら継続的に情報も入ってきますし、
「あの人がどんな人なのかは、大体わかる」。

さて、
私が地域づくりをする人たちを応援するという話に戻しますと、
街づくり・地域づくりをするのは、なにも政治家に限りません。
この地域を良くしようとする人たちに寄付することは、ローカルなところから社会的な問題を解決することに繋がります。実は、私自身、ドット道東という組織の関係者に一度も、会ったことも話をしたこともないのですが、情報収集をしてみると(ネット検索以外にも友人・知人から聞いてみると)、この人たちは、この地域を良くしようと考えていることは当たり前。さらに、踏み込んで「仕方なく(東京や札幌ではなく)道東にいる」という認識や「仕事もないし、東京や札幌に行こう」という現状を変えていこうと活動をしています。「道東にいるから、できない」を「この道東でも、できる」に変え、最終的には「道東じゃないと、できない」に変えようというメッセージは強く印象的です。道東の地域はいかんせん人口も多くない上、地理的にも各地方が分散していて、連携がとりにくい問題があり、このような地域的課題にズバッと浮き彫りにし、ニーズを生み価値を提案することはできそうでできない。着眼点の鋭さがあります。それも、その団体のメンバーがみな若くてエネルギッシュなのですから、ますます応援したくなります。

話はやや変わりますが、国の政治家を選ぶ場合、
「代表者(政治家)が私(国民)の意見を十分に反映していない」
という不満を持つ人が一定数います。
日本に限りませんし、歴史的にそうですが、景気が悪くなり失業者が増えたり、賃金が低水準で労働環境が悪かったりすると、このような不満を持つ人が増える傾向にあります。

別に不満を持つことが悪いわけではありませんが、
その不満が爆発して何か変えてくれそうなところ、とりわけ、極端な主張をしている人に、投票する傾向にあります。なお、これも日本だけに限ったことではありませんし、歴史的にもそのような事態は繰り返されてきました。

繰り返しになりますが、「不満を持つ」根本は、やはり「良く知らない人が代表になっている」というところに繋がるように思います。また、「良く知らない人を代表には選べない」から、あえて自分は投票をしない・投票ができないという人も一定数いるように思います。

そんな不安を感じている人に、伝えたいのは、
「まずは、身近な自分の街に関わっている面白い人を応援すること」
から始めて見てはどうかということです。

1億人のうちから数人を選ぼうとするから、身構えてしまいます。
まずは、コンパクトなものから始めてみる。あなたのそばで活動している人を良く観察してみて、良さそうな人や団体を応援していく。自分の身の回りのところから始めて、その範囲を自分の街、そして街から地域を広げていく。このような考え方の延長線上に、国の政治を考えることにつながります。

この為には何が必要か。

それは、自分が住む街に、興味を持つことです。
「自分、自分の家族、自分の身の回りの人、みんなが幸せになるためにはどうしたらいいんだろう?」という疑問を持つことが出発点です。
そして、その疑問を解決できる方法を考えること。

出発点を身近なところに置き、自分事を増やしていくこと。
これまでは他人事(ひとごと)だったものを、自分事にしていく。
自分に関わるものに参加し、その責任を持つ。民主主義というコトバは多義的ですが、自分に関わるものを広げ、そこに参加し、参加した意思決定に責任を持つことが民主主義の根本思想です。

逆に「自分には関係ない」という考えは非常に危険です。
というのも、「自分には関係ない」→「自分は意思決定に参加しない」→「勝手に決めてくれ」という思考過程を経て、「自分ではない第三者に任せる」という結論を導き得ます。これは、民主主義ではなく、君主制(みんなことだけど、君主に任せる)という考えにつながるからです。君主や独裁者に任せた結果、どういう悲劇が生じたかは歴史が示すところです。

このように考えてくると、自分の身の周りにあることすら、「所詮、自分に関係のないこと」「ひとごとだ」という考えは、民主主義の根幹を揺るがしかねません。「身の回りにあることは自分に関係があること」「この地域のことは自分ごと」という発想は、民主主義を支える基本的なものと言っても過言ではありません。

コロナ禍の為、私が所属するまちづくりに関連する団体の協議会や青年団体の理事会、経営者団体の幹事会など、の活動がストンとなくなっていましたが、ようやく再開しています。各種団体の役割はバラバラですが、理念として共通しているのは、「より良い街づくり・地域づくりをしていこう」という点です。私もこの活動に参加しながら、「他人事」を「自分事」へ代えていきたいと考えています。