弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2020.10.28

サードハンドスモーク

「サードハンドスモーク」とは、タバコの煙が壁や衣服、髪に付着し、そこから発せられる有害物質を吸うことで健康被害を受けることをいいます。日本語にすると「三次喫煙」。まだ一般的に認識されている用語ではないかもしれません。

タバコから出る煙には、ホルムアルデヒド、ニトロソアミン等の発がん物質、毒性の窒素酸化物、アンモニア等、健康に悪影響を及ぼす有害物質が多く含まれています。タバコの煙を吸えば、当然、健康被害のリスクは高くなります。

喫煙者は、直接、自分の口を通して、タバコの煙を吸い込みます。
このときに吸い込むタバコの煙を「主流煙」と呼びます。
「主流煙」による健康被害、これが「一次喫煙」に該当します。

「一次喫煙」は、喫煙者自身がタバコが有害であるとわかった上で喫煙している以上、健康を害したとしても自業自得であるといえますし、その反面、喫煙自体はその人の勝手だといえるでしょう。

しかし、問題なのは「主流煙」による健康被害ではなく「副流煙」による健康被害です。
「副流煙」とは、火のついたタバコの先端からモクモクと立ち上がってくる煙のことです。
喫煙者の周囲の人間は、この「副流煙」を吸ってしまうことで健康被害を受けます。
「副流煙」による健康被害、これが「二次喫煙」に該当します。
積極的にタバコの煙を吸うことによる被害ではないため受動喫煙とも呼ばれます。

「副流煙」も「主流煙」も同じタバコの煙であり、ともに有害物質が含まれています。
しかし、煙に含まれる発がん性物質などの有害物質の濃度は、「主流煙」より「副流煙」の方が高いです。これは「主流煙」の場合、タバコのフィルターを通していることや吸い込む際に酸素がタバコの先端に集まり、先端の温度が摂氏900度にも達することで主流煙中の有害物質の多くが分解されるからです。アンモニアやホルムアルデヒド等一部の有害物質に至っては50倍も違うと言われています。

ちなみに、最近の電子タバコでは、煙がほとんど出ず副流煙はないので、「二次喫煙」の問題はないのではないかという疑問もあります。たしかに煙自体は出ませんが、その代りに目に見えないエアロゾル(霧、ミスト)が放出されます。そして、このエアロゾルの中にもニコチン、ニトロソアミン、ホルムアルデヒドが含まれることが判明しております。目に見えない分、かえって吸い込んでしまう危険が高いともいえます。また、電子タバコも臭いがないわけではないですし、決していい臭いとはいえません。

さらに、最近では、「二次喫煙」に加えて、冒頭紹介した「三次喫煙」(サードハンドスモーク)による健康被害が心配されるようになっています。非喫煙者であっても喫煙者がいる会合に出席していれば、副流煙を吸い込むほどの距離にいなかったとしても、タバコの臭いが衣服や髪の毛に付着します。その状態で家に帰れば、家族から、タバコ臭いと煙たがられたりしますし、スーツの場合には、1回着ただけでタバコの臭いが付着すれば、その臭いを取るためクリーニングに出さざるを得ません。クリーニング代という経済的な損害ですめばまだいいのですが、「三次喫煙」の場合には会合に出席すらしていなかった人に対しても健康被害を及ぼす可能性があります。

改正健康増進法が施行されたことにより、「学校・病院・児童福祉施設等の行政機関の庁舎等」では、敷地内では禁煙となり、それ以外でも多数の人が利用する施設であれば原則として屋内禁煙となりました。

この改正健康増進法の対応を巡っては、北海道の道議会新庁舎内に喫煙所を設置するかどうか議論されています。正確には議論もできていない状況かと思います。議会はあくまで立法機関であり「行政機関」ではないため、法律上は、喫煙専用室を設置することが可能であり、設置すれば喫煙専用室に限り、喫煙が可能ということになります。道議会新庁舎はすでに出来上がっているのに、一体、何をしているのかなと思いますね。挙句の果てには、ある道議が議会庁舎内で喫煙していたという事実が発覚しました。議会庁舎内には喫煙専用所が設置されておりませんので、庁舎内での喫煙は健康増進法に反する行為となります。

さらに、国会でも、国会議員が議員会館内の自室で喫煙しているというニュースが報じられました。議員会館には、喫煙専用所が設置されていますので、喫煙専用所でしか喫煙が許されていないことになります。したがって、議員室で喫煙することはやはり法律に反することになります。

北海道庁舎も議員会館も議員だけが利用するわけではありません。
特に、国会議員の議員会館の場合、多くの人が入れ替わり立ち代わり議員室を訪問します。面談中に喫煙しなければ「一次喫煙」「二次喫煙」の被害は発生しないかもしれません。しかし、普段から喫煙しているのであれば、議員室の壁、ソファー等にはタバコの臭いが付着し、そこから有害物質が放出されていることになります。消臭剤を使用してタバコの臭いを隠しても、空気清浄機を使ってタバコの臭いを取り除いたとしても有害物質は除去できません。したがって、議員室を訪問した人が「サードハンドスモーク」による被害を受ける恐れがあるわけです。議員室は自宅とは違いますので、サードハンドスモークの観点からも改正健康増進法を遵守していただきたいと思いますね。