弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2020.08.26

日本のパスポート

 ここ数年、ゴールデンウイークやお盆の時期は、ロータリーの国際奉仕事業等で海外に行くことが多かったのですが、新型コロナウイルスの影響により、しばらく海外には行けそうもありません。また、今年の3月までは、毎月のように東京出張に行っていたため、海外への特典航空券に交換できるだけのマイルが貯まっていますが、残念ながらこれを交換しても使用できる状況にありません。

 さて、海外に行く際に必要になるのは「パスポート」です。

 パスポートは、自分の国籍を証明する国際的な身分証明書になりますし、これさえあれば、基本的に海外に自由に行くことができます。戦後、しばらくの間、GHQの許可を受けなければ海外渡航できない時代がありましたが、その時代には想像できないくらい自由になりました。

 昭和26年(1951年)に現行の旅券法が制定され、昭和38年(1963年)に業務渡航が自由化されました。その翌年の昭和39年(1964年)に、観光渡航が自由化されることになりました。1964年。そうです。前回、東京オリンピックが開催された年になります。これにあわせて海外渡航が自由化され、パスポートの発行数も大幅に増え、海外旅行者数も増加するようになりました。それから56年が経過した2020年、これまでも10年有効旅券が導入されたり、IC旅券が導入されたりしましたが、再び東京オリンピックが開催される予定だった今年、パスポートのデザインが大きく変わります。

 現在は、桜地紋を用いた割と地味なデザインなのですが、これが葛飾北斎の「富嶽三十六景」を背景とする新しいデザインに変更されます。私のパスポートの有効期限はまだありますが、「富嶽三十六景」のデザイン欲しさに新しく申請し直してもいいかなとも思っています。ちなみに10年旅券では24作品、5年旅券では16作品が採用されます。パスポートのページをめくって世界的にも有名な北斎の浮世絵である「凱風快晴」(がいふうかいせい)や「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」が出てくるとテンションが上がりますが、入国審査する外国の審査官も「おっ!」と内心思うに違いありません。早く新しい旅券を手にして、海外に行きたいものです。






 実は、日本のパスポートは、世界最強であるといわれています。
何をもって「世界最強」と言われているのでしょうか??
セキュリティが最強なのでしょうか?
あるいはパスポート保有率が世界で最も高いということなのでしょうか?

 セキュリティが高いというのはそのとおりでしょう。偽造防止のための最先端技術が詰め込まれているといわれています。パスポートに内蔵されている偽造防止用のICチップも世界最高水準といわれていますし、ブラックライトでパスポートを照射すると顔写真と外務省の印影が浮かび上がるような特殊技術も採用されております。ただ、これが理由で世界最強と呼ばれているわけではありません。
また、パスポート保有率をみますと、日本の場合約25%であるのに対し、アメリカは約40%、イギリスは約75%となっており、世界と比較すればまだまだ低いといえますので、最強とは言い難いです。

 結構、マスコミでも取り上げられているため、すでに多くの人に知られているかもしれませんが、ここでいう「世界最強」とは、イギリスのコンサルティング会社「ヘンリー&パートナーズ」が、ビザなしで外国への渡航が可能な国や地域の数を「パスポートの強さ」として調査した結果、一番多く渡航できる国ということを意味しています。2018年10月に公表された調査結果によれば、日本のパスポートは、ビザなしで渡航可能な国・地域が190と世界最多であると認められ、「世界最強」であると発表されました。ちなみに世界2位は189のシンガポール、そして、3位は188のドイツ・フランス・韓国です。これは2018年時点でしたが、その後、2019年6月に、ブラジルが日本、アメリカ、カナダ及びオーストラリア国籍のパスポート保有者に対し、観光目的であればビザを不要とする措置をとったため、日本のパスポートでビザなし渡航が可能な国・地域が一つ増え191となり、依然として「世界最強」の地位を保持しております。

 これは、それだけ海外で日本人による不法滞在や犯罪が少ないことの現れであり、海外の日本人に対する信頼が高いということの裏返しだと言えます。したがって、海外に行ってもその信頼を裏切るような言動はとらないよう注意しないといけませんね。また、うっかりパスポートを紛失すれば、それが第三者の手に渡り、犯罪組織に悪用される危険もありますので、普段、使わないにしても大切に保管する必要があります。外務省のHPによれば、パスポートの紛失・盗難件数は年間約4万1千件(平成30年)発生していますが、そのうち約8割以上の3万3千件は日本国内で発生しているようですので、日本国内だからといって安心してはいけないということがわかります。
 
 最後に、パスポートは、身分証明書として使用されるため個人の物だと思われるかもしれませんが、所有権は国が持っており、旅券法上、有効期限が切れた場合には、パスポートは国に返納しなければならないとされています。ただ、実際には、古いパスポートに無効を意味するスタンプ“VOID“が押されたり、パンチで穴を開けられたりすることで、国への返還義務を果たした扱いとなり、自由に処分することができます。私も司法試験合格直後、20代のころに作った古いパスポートを思い出の品として今でも保管しております。