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弁護士 鍛冶 孝亮
2020.07.15

汽車の魅力

1 私は高校時代、汽車(きしゃ)に乗って毎日通学していました。
  「汽車通(汽車通学)」と言っても周りは通じていました。
大学に進学後、道外の人と触れ合う機会も増えました。
  道外の人に「汽車」の話をすることもありますが、ぽかんとされ話が通じなかったことや「電車」ではないかと指摘されたこともありました。
  汽車は電車ではないこと自体は理解してもらっても、具体的にどのような乗り物なのかイメージしてもらうことは難しかったです。
  電気で走らない車両ではないとすれば、一般的にイメージするのは、蒸気機関車(SL)でしょう。蒸気機関車が黒い煙を出しながら広大な北海道の大地を走る姿をイメージすることは難しくありません。
  もしかしたら、私が当時乗っていたディーゼル機関車がイメージできず、私が蒸気機関車に乗って毎日高校に通学していたと勘違いをした人もいたかもしれません。
  汽車という単語が道外では当然に通じないことがわかりました。

2 電車とは電力によって走る車両です。
汽車とは蒸気機関車やディーゼル機関車そのものやそれらの車両が牽引している車両のことをいいます。
  JR北海道の電化区間は、札幌―小樽間、札幌―旭川間、札幌-室蘭間と函館周辺に限られており、それ以外の区間は電化されていません。
  電化されていない区間では、電車は走れないためディーゼル機関車が走っています。
特急おおぞら(札幌-釧路間を走る特急)の写真です。





 線路上には電線がなく、車両にもパンタグラフがないことが確認できるかと思います。
 道東地区は電化されていないので、この地区を走る普通列車や特急列車は、すべてディーゼル機関車となります(「列車」とは、営業線を走るために準備された鉄道車両を意味であり、電車や汽車を一括りで列車と表現することも可能です)。
 JR北海道は電化されていない区間のほうが多いため、電化されている札幌でも「汽車」といえば通じているのではないかと思っています。そして、札幌で電車といえば、市電をイメージする人がほとんどではないでしょうか。 

3 道東地区では、走行車両は一車両ということは珍しくなく線路は単線です。
  このようなことから、汽車が走っている場所は田舎というイメージがあります。
  先日、子どもと一緒に汽車に乗って釧路から白糠まで移動したことがありました(先ほどの写真はそのときに撮影したものです)。
  そのときに感じたことがありました。それは、電車よりも汽車のほうが、風景が良く見えるということです。
  電車の場合、電線や架線柱が線路ともに設置されているため、車窓から風景を見てもどうしても目に入ってしまうことがあります。
  しかし汽車の場合、電線などで風景を邪魔されることはありません。
  また、自然の中を走る車両を写真撮影する場合、人工のものは線路と車両だけですので、自然に溶け込んだ写真を撮れるのではないかと思います。
  釧路と根室間の花咲線では、海岸線や湿原を走る箇所もあり、息をのむほど美しい自然風景とそこを走る車両の写真を見たことがあります。もしも写真に電線が写っていると美しさが半減するのではないかと思います。

4 JR北海道には、くしろ湿原ノロッコ号という観光列車があります。
もちろん電車ではなく汽車です。
  釧路湿原の中を約1時間かけて旅をする日本一遅い列車としても有名です。
 ノロッコ号では美しい釧路湿原の風景のほか、運が良ければタンチョウなど動物を見ることができます。
  毎年、夏の釧路には多くの観光客が訪れノロッコ号も混雑していますが、今年は新型コロナウイルスの関係で運行が延期されていました。
  しかし、7月18日から運行が再開されることになっています。
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/kushironorokko/index.html
  新型コロナウイルスの感染予防を徹底した上で、子どもと一緒に乗ってみたいと思っています。
  いずれ北海道新幹線が札幌まで伸長され、道内を高速移動できる日が来るかもしれませんが、汽車に乗って道内をゆっくり観光する需要はなくならないと思います。
  普段いかに早く目的地に着くかを考え、移動手段を考えていることが多いかと思いますが、たまには汽車に揺られて移動するのも悪くないと思います。