弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 荒井 剛
2020.02.27

地方の弁護士

現在、釧路弁護士会には80名弱の弁護士がいます。

釧路弁護士会に所属するのは、
釧路市のみならず、帯広市、北見市、網走市、根室市の弁護士も含まれます。
釧路市に限定すれば、わずか30名ほどしかおりません。

したがって、当然、全員の名前も顔も知っていますし、
多くの場合、その人がどのような人なのかも知っています。

依頼者や第三者からすると、
釧路市内の弁護士同士であれば、
なれ合いになってしまい、
きちんと事件を処理してくれないのではないか
と不安に思われるかもしれません。

しかし、実際に仕事をしている立場からすると、
相手の顔がよく見える分、
変な仕事はできないという意識が強く働きます。

狭い業界ですので、ある事件では一緒に仕事をし、
ある事件では相手方になったりすることもあります。

もし一度でも変なこと、
たとえば相手方や相手方弁護士をだますような
ことをしたりすれば一生信頼されなくなってしまいます。

したがって、逆に正々堂々と事件処理に誠実に取り組むことが
できますし、それが地方の弁護士のいいところではないかと思います。

ところが都会になると、
弁護士の数も多く、裁判をやる場合でも
一生のうちに同じ弁護士が相手になるケースが
少ないそうです。

そのせいか東京などの裁判では、
裁判所に提出される書面中、
わざわざ相手の弁護士の主張を愚弄したり、
誹謗中傷するような記載があったりすることがそれなりにあると聞いております。
それが原因で懲戒請求や損害賠償請求まで発展しています。
釧路で弁護士をしていても事件によっては、
事件の相手方に釧路以外の弁護士がつくケースがあります。
全部がそうであるというつもりは毛頭ございませんが、
札幌、東京等の都会の弁護士が代理人についたケースでは
少なからず書面の記載内容に
ムッとなることがあります。

もちろんそれぞれの立場があるため、
裁判の中で主張がぶつかることはあります。
法律的な主張や事実についても認識の違いということであれば、
それ自体は特に問題はないのですが、
そうではなく相手をあえて小馬鹿にするというか、
裁判所的にもほとんど意味のない余計な記載が
入っていることがあります。

たとえばこちらがある争点について
Aという見解を主張したとします。
しかし、相手方は、Bという見解を主張していたとします。

それぞれ、自分の見解の根拠となる理屈や事実を
挙げることになるのですがその場合、

これこれAの見解は妥当ではない、
一方、このような理由でBの見解が相当である、
という程度の表現でとどめておけばいいと思うのですが、
中には、それに加え、わざわざAを主張するなんて
前代未聞であり、それを主張すること自体滑稽であり、
恥を知れ、というニュアンスの表現が入っていることがあります。


もちろん、相手の主張が常軌を逸しているような場合には、
多少なりとも強めの表現で反論するということもありますが、
あえて相手を愚弄するような表現を好んで使用する弁護士もいるように感じます。
そのような弁護士はほんの一握りの人だとは思いますが、
都会の弁護士だからこそできるのかと思ったりします。
「一期一会」の精神なんてあったものではありません。
依頼者からすれば、相手を激しく攻撃してくれる弁護士は、
頼もしく映るかもしれません。
しかし、必要のない人格攻撃や誹謗中傷をすれば、
相手を過度に刺激し、話し合いによる解決の芽を摘んでしまい、
結果、訴訟の長期化につながります。
それはかえって依頼者の利益に反する結果になります。
そうなると相手を誹謗中傷する表現は、
無益というより有害です。
そのような書面を書くような都会の一部の弁護士を相手にしてしまった場合には、
相手方の依頼者が気の毒だなと思いながら淡々と対応するようにします。
と同時に、地方の釧路の弁護士でよかったなと思ったりします。