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弁護士 小田 康夫
2019.02.06

AI に淘汰されないために

最近、書籍やネットを見ていますと、
「AIで単純業務がいらなくなる」
「多くの仕事がAIに奪われ失業者があふれる」
「失業者があふれ大恐慌になる」

ということがよく目に留まるようになってきました。
先日、わたしが読んだ本にも、衝撃的な事実が記載されていました(コラムの最後に、本の名前などを書いておきます)。
要旨、
・産業革命で、ブルーカラーの仕事がなくなった
・今度はAI(革命)で、ホワイトカラーの仕事がなくなる
・それにより世界中で恐慌が起こる
・将来的にも、AIは、読解能力(文脈を読む力)を獲得し難い
・ただ、今の人間(子ども)にも、読解能力がない
結論、
読解力がない者は、仕事をAIに奪われ、世界恐慌に巻き込まれる。

読解力向上が教育の役割ということで、その著者は教育プログラムを作り出したとのこと。
読んでイロイロ考えさせられました。
弁護士も、法教育と銘打って、小学生や中学生に法律に関すること、弁護士の仕事を伝えてはいるものの、「子どもの読解力」向上のために何か活動をしているわけではありません。私自身、子どもの読解力向上のために何をどうしたらよいか、現状、わかっていません。

かくいう私も、小学生から中学生のころ、まったくといっていいほど、「読解力」がありませんでした。これは本当にそうで、小・中学生のとき、一切、教科書を読んだ記憶がありません。教科書はおろか子供向けの小説や絵本の類すら読んだ記憶もありません。正確にいうと、私には、「活字を見続ける(読み進める)力」がありませんでした(おそらく、実家に本が少なく、図書館や書店も物理的にアクセス困難、両親が酪農家で毎日、朝・夜仕事のため、遠出も容易ではなく、本などの活字文化に触れてこなかったことが影響していると思います)。高校生になっても、これは本質的に同じで、活字を読み進めることが苦痛で、すぐ眠くなるため、情報の暗記にばかり、チカラを注いでいました。情報の論理を読む解く「読解力」の前提となるべき、「活字を見続ける力」が圧倒的に不足していたのです。ただ、運よく、大学に合格できました。大学受験勉強では、暗記重視でよかった側面もあったためでしょう。なお、このようにテーマを決めてコラムを書くことは、大学の友人たちと始めたブログのときに遊び感覚で見つけたテクニックが非常に役に立っています。

話を戻して、
AIに淘汰されないために、今、何をするか。
おそらく暗記教育を、目の仇にして、排除してもダメでしょう。
経験上、みなさんも分かっているとおり、単純暗記は重要です。
そうではなく、情報(知識)を取得し、暗記するのみならず、
暗記にプラスアルファとして、情報の意味・ストーリーを読み解くチカラ、そして、それを再構成するチカラ、さらに、AIに代替され既存の仕事が淘汰されても、より面白い仕事をクリエイションできるチカラ、を養っていく。当然、幼少期から子どもの「チカラ」を上げるべく、社会でサポートすることが必要ですし、われわれ大人も読解力を伸ばすために、知的好奇心を持ち続け、情報発信を継続していく必要がありそうです。

私が読んだ書籍には、「読解力」を向上させる、明確な「答え」が書いてありませんでした。
だから、(ここの「だから」は、あまり論理的ではないですが)われわれ、ひとり一人が、この「答え」を考え続けていかなければなりません。

「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著/東洋経済新報社)。
ものすごーく面白い。