弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 鍛冶 孝亮
2018.03.15

働き方について

1.ときどき、勤務内容などについて質問されることがあります。
 ・何時に出勤し、何時に帰宅するのか
 ・休みはあるのか
・いつも忙しいのか
などです。
  自治体や企業に雇われている弁護士であれば、勤務時間や休日が明確に決まっている場合もあるかもしれませんが、弁護士事務所を構えて働いている弁護士の場合、明確に勤務時間や休日は決まっていることは少ないのではないかと思います。
  例えば、事務所が午前9時に開き午後5時に閉まるという場合であれば、事務所に出て来るのは午前9時前と思いますが、帰宅の時間帯は午後5時以降のスケジュールやたまっている仕事の量にも関係してきます。
  日中に、法律相談や打合せ、裁判所に行くなどでスケジュールが埋まっているときは、裁判所に提出する書類などを作り始めるのは午後5以降になることが多いです。
その書類が早くできれば、早く帰ることができますし、量がたくさんあれば帰るのも遅くなります。平日に書類を作ることができなければ、事務所は閉まっている土日に事務所に来て仕事をすることもあります。
  受任している事件の内容や数によってすべき作業量も異なるため、極端な話、日中に他の用事がなく、書類作成などの作業が終われば午後5時を待たずに帰ることもできます(そのような日はほぼないですが…)。
  このようなこともあり、勤務時間のことを尋ねられたら、通常は遅くまで残っている仕事をすることもあるが、早く帰ることはできないわけでないという曖昧な回答をせざるを得ません。

2.今の国会で、裁量労働制拡大が盛り込まれた働き方改革関連法案が成立するという話がありました。しかし、目玉である裁量労働制の拡大にあたっての参考となっていたデータに誤りがあったこともあり、裁量労働制拡大は働き方改革関連法案から削除されることになりました。
  裁量労働制とは、簡単に説明すると、一定の業種について、みなし労働時間を定めて(例えば8時間)、労働者に始業と終業時刻を管理させるというものです。この制度によれば、予定していた仕事を3時間で終わらせて帰宅したとしても8時間分の給料はもらえます。一方で、予定したとおり仕事が終わらず、10時間働いたとしても、あくまでもらえるのは8時間分の給料になります。
  仕事のやり方次第で早く帰ることもでき、早く帰っても給料も減らされないというメリットもあります。一方で、残業代を支払わないために裁量労働制を採用する会社が増えるのではないかという問題点が指摘されています。

3.裁量労働制の拡大など国が働き方改革を検討した背景には、長時間労働の是正がありました(ただし、裁量労働制の拡大で本当に長時間労働が是正されるのかについて疑問の声も多いようです)。
私は、優先的に改革に取り組まなければならないのは、長時間労働による過労死だと考えています。
  最近でも、裁量労働制を違法に適用していた野村不動産の職員が自殺した事件や新国立競技場の現場監督の男性が自殺した事件、電通の入社1年目の女子社員が自殺した事件などがニュースになっています。実際は、自殺に至らないまでも長時間労働で健康を害したりうつ病などになり働けなくなってしまった方も多いと思います。
  日本人は海外から働きすぎると言われていますが、海外では仕事のし過ぎで命を落とすということは考えられないということもあり、「過労死(karoshi)」という単語が辞書(英語圏)にも載っていると聞いています。
労働者の命を削ってまで働かせている会社がある限りは、過労死がなくなることはないと思います。もっとも、過労死をなくすためには、会社側だけではなく、労働者側の意識の変化も必要かもしれません。
  例えば、ドイツの場合、法律で厳しく労働時間が制限されており、当局による監視もされているようです。日本でも労働基準法により労働時間や残業などが規制されていますが、少なくとも当局による徹底した監視はなされておらず、大企業であっても何かが起こってから調査に入るという仕組みになっている気がします。
  また、海外の場合、労働者側はいかに早く仕事を終わらせて帰宅するのかという意識のもと、効果的かつ合理的な勤務を行っているという話を聞きました。帰宅や休暇のことを第一に考えると、おのずから作業内容も変わってくるのでしょうか。
  長時間労働をなくすためには、労働者側の意識を変えることも重要かもしれませんが、いくら労働者側の意識が変わっても、長時間労働を許容するシステムが変化しなければ絵に描いた餅となりますので、労働時間を厳しく制限するという会社側への政策が特に必要であると思います。

4.働き方改革の背景には、子育てや介護と仕事の両立の推進もあります。
  同じ男性でも独身の人と結婚している人では、帰宅時間や休みの希望は異なってくると思いますし、子育てや介護をされている方にとっては、子育てや介護に支障がない程度に働くという希望があるはずです。 
働き方改革のことを調べていくと、働き方とは一元的に決められるものではないと思うようになりました。
  例えば、勤務時間どおりに出社と退社をしたいという人もいると思いますし、自分が担当する仕事はその日のうちに残業をしてでも終わらせたいし残業代も稼ぎたいという人もいると思います。
  先日、もっと休みを増やすべきという意見もあるが、休みが多くなってもすることがなくその分給料が減るので、むやみに休みを増やすのは反対だと意見している人の声をラジオで聴いたことがあります。
働き方改革の実現にあたっては、会社としても勤務形態を固定化するのではなく、多様なニーズに答えられるような様々な勤務形態(子育てや介護をされている方にとって働きやすい勤務形態)やバックアップ(分業や正社員によるフォロー体制など)を構築することを推進していくことが重要であると感じています。
5.国が進めている働き方改革ですが、今回紹介していない取組みもあります。
気になる方は厚生労働省のホームページで確認していただければと思います。

■ 「働き方改革」の実現に向けて
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html