弁護士法人 荒井・久保田総合法律事務所

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弁護士 鍛冶 孝亮
2017.02.15

エンディングノートの活用

1.財産だけでなく自分の想いも受け継がせるために、エンディングノートを作成する人も増えていると聞いております。

  エンディングノートとは、自身に万が一のことがあったときに、残された家族や友人に意思や想いを伝えるノートのことです。

2 エンディングノートの記載事項として以下のものがあります。

 ・氏名、生年月日、家族構成や家系図、学歴や職歴、保有している資格や免許など

・家族や友人の住所録や万が一のときに知らせてほしい人(家族、友人、仕事関係)の連絡先

・出生からこれまでの人生年表(学生や社会人時代の思い出、結婚や子育ての思い出、旅行の思い出などを写真とともに紹介する)

・健康に関すること(血液型、持病やアレルギーの有無、かかりつけ医や常用薬)

・介護に関すること(介護をしてほしい相手、どこで介護を受けるのか(自宅又は施設)、介護費用の負担方法、介護をする人に伝えたいことなど)

・万が一の場合に関すること(医療措置について判断してほしい人や末期状態の延命措置に関する希望など)

・葬儀に関すること(自身の宗教や宗派、葬儀の形式(家族葬や一般葬など)、葬儀の規模や費用の負担方法、葬儀の場所、戒名に関する希望、葬儀の内容(祭壇の種類、飾り付け方法、流してほしい映像や音楽など)、自分のお棺に入れてほしいもの、喪主になってほしい人の希望、参列者へのメッセージ、お墓や仏壇の希望、お墓や仏壇の費用の負担方法、供養方法(手元供養又は永代供養)

・ペットの世話、パソコンや携帯電話などの処分方法、フェイスブックやツイッターなどSNSのアカウントの処理、加入している団体への連絡や脱退

・これまでお世話になった大切な人へのメッセージ

・財産の内容(財産目録や使用しているクレジットカードの一覧)や所在(印鑑、預貯金通帳、保険証書や証券の保管場所)

・債務の有無や借入先の情報

 ・遺言の有無や死亡保険の有無(保険会社の担当者の連絡先など)

以上がエンディングノートの記載事項として考えられるものですが、書かなければいけないことが決まっているわけではないため、どのようなことを記載するのかは作成者の自由です。

3.自分が亡くなった際、自身の財産をどのように分けるのかを、法律上の方式に従って残しておくものは遺言と呼ばれますが、エンディングノートは遺言とは異なるものです。

遺言とエンディングノートの違いを説明しておきます。

  紙に財産の内容や分割方法を手書きし、日付や氏名を書いた上で、押印することで作成する遺言のことを、自筆証書遺言といいます。

  エンディングノートにも、自身の財産の内容や亡くなったあとの分け方を記載することができ、それが法律で定められている方式に従っている場合には、自筆証書遺言と認められる場合もあります。

  しかし、エンディングノートは、パソコンで作成されることも多く、パソコンで作成している場合には、自筆の方式を満たさないため、自筆証書遺言としては無効となります。

  自筆証書遺言として無効であっても、相続人全員がエンディングノートに書かれていることを尊重し、そのとおりに財産を分割する協議が成立すれば問題はないのですが、誰か1人でも反対した場合には、原則として法定相続分に従った遺産分割を行うことになるのです。

  このように両者には違いがみられます。法律上、記載事項が決まっており不備があれば無効になってしまう遺言に比べて、エンディングノートの記載事項に制約はなく、残した財産をどのように使ってほしいのかという自分の気持ちも書いて構わないのです。

  そのようなこともあり、遺言とエンディングノートは、別々に作成しておくことも必要だと考えます。例えば、エンディングノートには、財産の内容の印鑑や通帳などの所在とともに遺言があることを記載し、希望する分割方法は遺言で定めておくものです。

4.エンディングノートの記載事項は特に決まっていませんので、作成する人がどの点を重視するのかで、エンディングノートの中身が変わってくることになります。

エンディングノートは、本屋さんでも売っていますし、インターネットで検索すると、書式を紹介しているサイトもあります。

自分にあったエンディングノートを見つけて作成するのが良いと思います。

  生まれてから亡くなるまで、築き上げてきた財産を受け継がせることも大切ですが、受け継いでほしいのは財産だけではないはずです。

  これまで支えてくれた家族や友人に対する感謝の気持ちを述べるとともに、自分が亡くなった後も元気で幸せに暮らしてほしいというメッセージを残したいという方は、エンディングノートを作成してはいかがでしょうか。